2016年03月27日
スポンサーリンク
2016年03月27日
3月17日は、川村ゆうこの誕生日である。
「風になりたい」でデビューを飾った川村には長い沈黙期間があったが、2011年に「愛は君に姿を変えて」で復活し、最近も精力的にライブを行っている。
川村は、昭和50年に泉谷しげる、井上陽水、小室等、吉田拓郎が設立したフォーライフ・レコードの第1回オーディションでグランプリを獲得し、翌51年吉田拓郎作詞作曲・プロデュースによる「風になりたい」でデビューを飾った。
シングル「風になりたい」に続いて、アルバム『こんなに空が青くては 』を同じフォーライフからリリースするが、参加メンバーはプロデュースの吉田拓郎はじめ石川鷹彦、吉川忠英、松任谷正隆、石山恵三、後藤次利、等豪華メンバーが参加しており、新人のデビューにしてはある意味豪華すぎるともいえるものであった。
当時、吉田拓郎が出演した『セブンスターショー』では、川村が「風になりたい」を歌う映像が残されている。
とその後、数枚のシングルとアルバムを残して、川村は沈黙期に入る。
川村にとっての心残りの一つには、勉強をしてこなかったということだった。1993年にロンドンへ向かった川村は、1日10時間勉強をしたという。あたかも失っていた何かを取り戻そうとするかのように「勉強中毒」の日々を心ゆくまで満喫した。
そして1997年に帰国を果たす。川村は帰国後に、川村が歌手だったことを知らない友人たちとカラオケにいくこともあったという。
「あたし昔歌ってたんだー。レコードも出してたんだよ。」などと言ってしまうと
「えー!!じゃぁ歌ってみてーー!!」と当然こうなるのだが。
「風になりたい」は多くの人々にカバーされてもいた。
当時、残念ながら川村バージョンのカラオケはなく他人のバージョンのカラオケしかなかった。そうなると、微妙な差があり歌いにくいというか歌えない場合もある。またキーも違っていただろう。
やがて、川村のなかで何かが問いかける。
「歌は?」
「歌を放り出してはいなかったろうか?」
そして川村は決意する。
「もう一度歌をまじめにやってみよう!!」
川村は音楽活動を再開する。
一方で、川村が東京で音楽活動を再開したころ、僕は仙台で「風になりたい」が収録されたオムニバスアルバムを見るにつけ、川村ゆうこは何処にいってしまったのだろう? とある意味なつかしく思っていた。
ある日川村が活動を再開したという噂をネットで見つけた。調べてみると、マイスペースというSNSに川村ゆうこはいた。
早速、マイスペースに登録しメッセージを川村へ発信した。「はじめましてというか、なつかしいです」
これが、川村との再会だった。
僕は、勤務先で職員親睦会の幹事をしており毎年夏にビールパーティを企画していた。
そこへ「川村を呼ぶことはできないだろうか?」、本心は「風になりたい」を生で聴いてみたいという個人的な願望であった。
「来ていただけませんか?」返事は意外にもあっさりとOKが出た。
「サポートメンバーが決まりました。柳田ヒロさんと前田達也さんです」
このパーティがきっかけとなり、川村、柳田、前田は3人でライブを続けていく。
フォーライフからCDで復刻されたデビューアルバムには、このメンバーでの「風になりたい」と「輝きの瞬間」が収められた。デビューアルバムという原点に現在の自分を付け加えたことになる。
さて、久々に東京でのライブが渋谷ランタンで行われた日のこと。
川村が「愛は君に姿を変えて」を歌っていたとき、一人の人物が店に入ってきた。誰あろうこの曲を作詞した門谷憲二その人だった。
川村は「前田が呼んだ」と思い、前田は「川村が呼んだ」と思ったそうだが、すべては偶然のなせる業だった。
この日のライブがきっかけとなりレコーディングへと話は進んでゆく。プロデュースとアレンジは柳田ヒロ。タイトルは『愛は君に姿を変えて』。発売は2011年3月3日。レコード発売ライブが吉祥寺スターパインズカフェで行われたのが、同年5月21日。大震災直後ではあったが、僕はその場にいた。
今年(2016年)5月には、古川望(Gt)、冨倉安夫(Bs)、エルトン永田(Key)、島村英二(Dr)というつま恋バンドをバックに吉祥寺、京都、飯田、梅田と4カ所でのライブも計画されている。
このコンサートツアーのキャッチフレーズは、「川村ゆうこ PREMIUM LIVE 2016 最後のつま恋~あれから10年~あの時のメンバーとともにリスペクトを込めて拓郎を歌う♪ 」である。
僕は、吉祥寺に駆けつけようと思っている。会場のスターパインズカフェは奇しくもレコ発の会場だった。今度は、どのようなライブを見せてくれるのだろうか?
地方に住む音楽ファンである僕と川村ゆうことの何気ない繋がりがここまで来た。
だが、これは終わりではない。
「愛は君に姿を変えて」に収録されている「Keep On Going」に次のような歌詞がある。
昨日よりも今日の僕は少しは強くなれてるはずさ
今日よりも明日はもっと君に近づいているかな
Keep On Going!
Keep On Going!
そうだ、これはけして終わりではない。進みつづけなければならない。
そして川村ゆうこの物語も、僕の物語もまだまだ続いていくのだ。
1966年、朝日ソノラマから出た『Peter, Paul & Mary~フォーク・ギター研究』という教則本にはとてもお世話になった。各パートの楽譜とタブ譜(タブ譜自体がまだ非常に珍しかった)、丁...
「ギター少女」がもてはやされ、各地のライヴハウスで自作曲を歌う女の子が賑わし、アイドル並みの熱い支持を受ける現在からは想像できないが、70年代初頭のフォーク・シーンは「男性上位時代」だった。そん...
みうらじゅんが勝手によしだたくろうを語る不定期連載「僕の髪が肩まで伸びて よしだたくろう!」。6枚目のオリジナル・アルバムとなる『明日に向かって走れ』、曲目解説になります。みうらじゅんはこの年の...
みうらじゅんが勝手によしだたくろうを語る連載「ぼくの髪が肩まで伸びて よしだたくろう!」。今回からは6枚目のオリジナル・アルバム『明日に向かって走れ』に入る。みうらじゅんは高校を卒業し、京都から...
1978年(昭和53年)2月25日は、原田真二のファースト・アルバム『Feel Happy(フィール・ハッピー)』の発売された日。オリコン・チャートにて初登場1位を記録し、新人のファースト・アル...
11月23日は小室等の誕生日。今年で72歳というのが当然のような気もするし、信じられないような気もする。小室等を知ったのは1960年代、彼は20代たったけれど当時から老成した雰囲気があった。その...