2017年03月19日

[recommend]山下達郎も絶賛した「R&Bの本格派」ザ・ボルテージの伝説!

執筆者:中村俊夫

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1960年代半ば、モータウンやスタックス等のR&B専門レーベルの興隆で、全米チャートをブラック・ミュージック系アーティストたちのヒット曲が席巻。それは日本にも波及し、1967年頃から洋楽ファンの間でR&Bブームが巻き起こる。当時台頭してきた「グループ・サウンズ(GS)」と呼ばれるビート・グループたちも、最新のR&Bヒットをステージ・レパートリーをこぞって取り入れるようになった。中でも「R&Bの本格派」のキャッチフレーズで登場し、R&Bに特化したライヴ・パフオーマンスで注目されたのが、今から49年前の1968年3月に誕生したザ・ボルテージ(時期によってザ・ボルテイジと表記されることもあった)である。


元々、串田アキラ(vo)、柴田こうじ(g)、鳥海敏雄(b)、曽根譲二(org)、金剛文裕(ds, vo)というメンバーで活動していたザ・バームスから串田が脱退し、新たなヴォーカリストとしてに橘洋介を迎えて「ザ・ジャローズ」と改名。R&Bを専門に演奏するバンドとして都内近郊のジャズ喫茶や米軍キャンプで活動しているところを見い出され、68年3月に富士音楽企画の所属バンドとなる。この時、事務所社長の命名で「ザ・ボルテージ」と改名し、68年6月20日、シングル「エミー・マイ・エミー」でテイチク/ユニオン・レーベルよりレコード・デビューしたのである。


8月25日には、ソウル・ミュージック評論の第一人者・桜井ユタカが監修役を務め、ウィルソン・ピケット「In The Midnigjt Hour」「Mustang Sally」、ジェイムズ・ブラウン「It’s A Man’s Man’s World」、サム&デイヴ「Soul Man」、テンプテーションズ「My Girl」等、全編R&Bヒット曲のカヴァーで構成した意欲的アルバム『R&Bビッグ・ヒット』をリリース。本作ではR&B楽曲に必要不可欠なホーン・セクションを一切用いず、ライヴ同様に全編ファズ・ギターをフィーチャーしたコンボ・バンド編成での演奏に徹しており、まさに「ガレージR&B」とでも呼ぶべきサウンドを展開している。


同年11月1日に2ndシングル「トゥデイ」をリリース後、ザ・ジェット・ブラザースのヴォーカリストだった富永ジロー(70年代にハリマオに参加)が加入し、ツイン・ヴォーカリスト体制になったボルテージはサム&デイヴ・スタイルのライヴ・パフォーマンスを展開するようになった。 翌69年4月25日には3rdシングルとして、橘と富永のツイン・ヴォーカルを活かした「汐鳴りの幻想」をリリース。渋谷『VAN』などディスコを中心に活動する一方で、2ndアルバムの制作も開始された。


ウィリアム・ベル「Everybody Loves A Winner」、アーサー・コンリー「Otis Sleep On」、サム&デイヴ「When Something Is Wrong With Baby」等、前作よりもマニアックなR&Bナンバー だけで構成され、前作を凌ぐ出来栄えのアルバムが完成した矢先の 69年10月、メンバーの一部が引き起こしたスキャンダラスな事件が警察沙汰となり、ボルテージは活動停止を余儀なくされ、 2ndアルバムも発売中止。お蔵入りとなってしまう。その後、新メンバーを加えて73年頃まで活動を続けたが、いつの間にか自然消滅してしまった。


そんな本格的R&Bバンドだったボルテージで、 あの山下達郎も絶賛したというパワフルなヴォーカルを聴かせていた橘洋介こと蛎崎広柾さんをゲストに迎えるトーク・イベントが、3月29日(水)に新橋ZZで行なわれる。伝説のR&B系GSザ・ボルテージにまつわるレアな話が続出すること必至なので、ぜひお聴き逃しお見逃しないように!

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『ダディ竹千代と中村俊夫の日本ロック昔ばなし(11) 』

~今明かされるザ・ボルテージ驚愕のマル秘エピソード!?~

出演:ダディ竹千代、中村俊夫

ゲスト:蛎崎広柾(元ザ・ボルテージ橘洋介)

日時:2017年3月29日(水) 18:30(OPEN)/19:30(START)

料金:¥2,100(予約)/¥2,600(当日) ※別途ドリンク代

@新橋ZZ >

〒105-0004 東京都港区 新橋4丁目31-6 B1

※電話予約受付中:03-3433-7120(17:00~23:00)


≪著者略歴≫

中村俊夫(なかむら・としお):1954年東京都生まれ。音楽企画制作者/音楽著述家。駒澤大学経営学部卒。音楽雑誌編集者、レコード・ディレクターを経て、90年代からGS、日本ロック、昭和歌謡等のCD復刻制作監修を多数手がける。共著に『みんなGSが好きだった』(主婦と生活社)、『ミカのチャンス・ミーティング』(宝島社)、『日本ロック大系』(白夜書房)、『歌謡曲だよ、人生は』(シンコー・ミュージック)など。


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