2017年08月17日

1969年8月15日、「ウッドストック・ミュージック&アート・フェア」(通称ウッドストック)の最終日が開催

執筆者:増渕英紀

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1969年8月15日~17日までの3日間、ニューヨーク州サリバン・カウンティにあるヤスガー農場で開催された「ウッドストック・ミュージック&アート・フェア」(通称ウッドストック)は、40~50万人もの観衆を集めてロック史上に残る一大イヴェントとなった。


ウッドストックが開催されることになった背景には67年の「モンタレー・インターナショナル・ポップ・フェスティヴァル」の成功がある。企画、プロデュースを担当したのは、前年にマイアミ・ポップ・フェスを開催して成功させたマイケル・ラング。映画版のドキュメンタリーでは冒頭にバイクに跨って登場した男だ。


フェスは当初10万人程度の動員を予想していたものの、いざ蓋を開けて見るとすでに開演前に20万人くらいが詰めかけ、不測の事態も...。まず真っ先に食料、飲料の不足が問題化し、次いでおびただしいドラッグ類の持ち込み、使用からの医者不足も問題となった。が、3日間を通して暴力、殺人などの事件は一件も起きず、無事に終了したことから後に“愛と平和の三日間”と呼ばれるようになったのは有名な話だ。が、実際には死者2人(一人は道端で寝ていてトラクターに轢かれ、もう一人はドラッグのオーヴァー・ドース)という記録が残っている。


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実際のフェスの模様に関しては今はDVD化されている映画をご覧になっている方が殆どだと思われるので、詳しく触れる必要はないだろう。


が、フェスに登場したアーティストの中で触れておきたいのはサンタナだろうか。サンタナと言えばラテン・ロックというのが当時のイメージだったが、メキシコ系アメリカンである点に着目すると、また別の側面が浮かび上がってくる。ヴェトナム戦争において最前線へと送り込まれたメキシコ系アメリカンの戦死率が異様に高かったことからチカーノ・ムーブメントと呼ばれる民族運動も巻き起こったが、そんなマイノリティという人種の壁を最初に突き破ったのがサンタナの大ブレイクだった。


最後に、せっかくだからこれを機会に映画には登場していない知られざるレアなアーティストを紹介しておこう。まずはロス出身の8人組、スウィートウォーター。日本では殆ど知られていないが、アメリカでは最近再評価の著しい存在だ。フルート、チェロを駆使してクラシックとジャズ、ラテンのテイストも交えたユニークな音を聴かせる他、グレース・スリックにも通じるようなナンシー・ネヴィンズのヴォーカルが聴きもの。その後ナンシーが交通事故に遭って71年には解散している。が、シーンから忽然と姿を消した彼らを題材にした映画「Sweetwater: A True Rock Story」が作られ、アメリカ本国ではそれを契機に脚光を浴びている。一方、一切が謎に包まれていたクウィルはボストン出身の即興を身上としたジャム・バンド。メンバー全員が複数の楽器を使いこなし、それを取っ替え引っ替えして演奏していたというからユニークだ。そしてバート・ソマーは、レフト・バンクの準メンバーとして活躍した人物。レフト・バンクのリーダー、マイケル・ブラウンの共作者としても知られる他にソロ・アルバムも数枚リリースしている。


「ウッドストック」は途中から入場無料にしたことから、当初は赤字と伝えられたものの、結局は映画化、レコード化などで実際には3000万ドル以上稼ぎ出したと言われ、“ロックは金になる”ことを業界に印象づける結果となったのである。


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写真提供:増渕英紀


≪著者略歴≫

増渕英紀(ますぶち・ひでき):音楽評論家、コラムニスト。東京都出身。メジャーには目もくれず、ひたすら日本では過少評価されているマイナーな存在の海外アーティストや民族音楽、日本のアンダーグラウンド・シーンやインディー系のアーティストにスポットを当てて来た。

ディレクターズカット ウッドストック 愛と平和と音楽の3日間 [DVD] ドキュメンタリー映画 (出演)

ウッドストック Original recording remastered オムニバス

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