2015年08月08日

1969年8月8日、ビートルズ『アビー・ロード』のジャケット撮影が行われた日

執筆者:小野善太郎

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タイムマシンがあったなら、洋楽ロック・ファンが一番行きたい年は…?

そりゃ1969年!と即答する人は多いのではなかろうか。


1月30日にロンドンの背広通りに現われたら、いきなりビルの屋上からビートルズ最後の生演奏が降って来る!

6月7日、ロンドンの日比谷公園では、クリーム解散後のエリック・クラプトンが組んだブラインド・フェイスのデビュー・ライヴに遭遇!

7月5日に日比谷公園、じゃなくてハイド・パークを再訪すると、ミック・テイラーを加えた新生ローリング・ストーンズのユル~くもロックな演奏が体感出来るが、前座の新鋭キング・クリムゾンにこそ目と耳が釘付けになるかも!

8月15日~17日の3日間、米ニューヨーク州のヤスガー農場にたどり着けば、ビートルズもストーンズも居ないのにメチャ盛り上がってるウッドストック・フェスティヴァルを堪能出来る!

そして12月6日、米サンフランシスコ郊外のオルタモント自動車競走場、厳冬なのに野外で強行されたストーンズの’八甲田山’コンサートに紛れ込んでしまったら、夏のLove&Peaceな想い出が一遍に消し飛ぶ!


と、ロック過渡期の歴史的イベントが目白押しだが、しかし、誰もがピンポイントで存在したい日時と場所なら、8月8日、金曜日、午前11時35分、ロンドンの、とある横断歩道、でしょ。


秋に発売されるビートルズ『アビイ・ロード』の簡易かつ傑作なジャケット写真が撮影された日付は8と8のゾロ目で憶えやすいが、忘れかけたらジャケットを見れば(日本人なら)簡単に想い出せる。

上半分は漢字の「八」を上下反転した構図で、下半分は「八」そのまんま。


当時は永遠不滅の仲良し4人組と思われていたビートルズも実は内実は切実。

親分Jが神聖なる録音スタジオに7歳以上も年上の東洋の魔女を連れ込んだのが解散の一大要因、とワタクシの伯母Yばかりが悪く言われるがのう、この年初頭の録音風景を記録した映画『レット・イット・ビー』を観るならば、もはや跡目を継いだつもりの舎弟頭Pは、負けじと9か月ばかり年上の姐御Lのみならず、その連れ子も同伴。お子様は無邪気にも舎弟Rの大切な商売道具のドラム・セットで遊んだりする。ま、そこのシーン自体は演出だろうから、Rはイメージ通りのコメディ・リリーフを引き受けて、おどけたリアクションをサービスしてみせるが、その腹の底は?

良く言えばアット・ホームな職場、マトモな感覚で見るなら公私混同の極致、というか極地。

てな状況だったろうが、お隣のRS組では、先代BJに引導を渡して正式就任したM組長が組織再編を断行、来たる1970年代に備えたというのに、栄光の金看板のB組は、もはやこれまで。


でも、だから、最後の挨拶状だけはキチッと残しとこ、と腹を括った舎弟頭が、親分・舎弟・若衆G・長老GMに詫びを入れてまで挑んだのが、この夏のセッション。


ほぼ録音し終えた後でタイトルとジャケットを決めることになったが、もう誰も手間を掛けるつもり一切無し。写真の左手にある録音スタジオを出た先の横断歩道を渡る様子をチョコチョコっと撮って、そこの地名をタイトルにしたのは衆知の通り。


ともあれ、ここでの4人の並びも東映ヤクザ映画的視点で眺めると結構スリリング。


腐っても鯛の丹波J哲郎が悠然と先頭を行く。それを後ろから狙う輩との緩衝になるべく小池R朝雄がさり気なく間に収まる。真夏のアスファルト道路は熱いはずなのに、あえて裸足で浮かれる、余裕の成田P三樹夫。だが、背後に迫る鋭い眼光には気付いていないようだ。このまま塀の中にも入れるぜ、と覚悟の軽装で臨んだ渡瀬G恒彦。写真では見えない左手には何が握られているのか?

なーんて。


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