2018年04月27日
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2018年04月27日
4月27日はKISSの元リード・ギタリスト、エース・フレーリーの誕生日である。今年、彼は67歳になる。
KISSは1970年代後半、日本で最も人気のあった洋楽ロックバンドの1つで、エース・フレーリーはそのKISSのオリジナルメンバーだ。
胸毛と真っ赤な唇がセクシーなヴォーカリスト、ポール・スタンレー。悪魔風メイクや火吹き&血吐きパフォーマンス等まるでアニメの世界からやってきたような楽しいキャラクターのベーシスト、ジーン・シモンズ。とぼけた感じの猫メイクとハスキー・ヴォイスがチャーミングなドラマー、ピーター・クリス。いずれ劣らぬ強烈な個性を持ったメンバーの中で、エースは中世的な風貌と相反するような激しく荒々しいギター・プレイで女性ファンだけでなく、多くの男性ファンのハートもガッチリ掴んでいた。長身、スマートでレスポールを弾く姿が麗しかったエースは今もミュージシャンとして活動を続けているようだが、その容姿はすっかり様変わりしていて……半世紀という時の流れを強く感じさせる。
KISSが日本デビューしたのは1975年。彼らはアメリカでその前年の74年にデビューしていて、すでに3枚のオリジナルアルバムと1枚のライブアルバムをリリースしていたため、日本では複数のアルバムが一斉に発売されるという珍しいデビューとなった。デビューに併せてラジオやレコードショップで彼らのハードロック・サウンドが街中に流れるようになり、雑誌でビジュアルが大きく取り上げられるようになると、そのインパクトの強さも相まってあっという間に人気に火が付いた。
76年には「ベス」「ハード・ラック・ウーマン」という2枚のシングルが続けてアメリカで大ヒット。その勢いを持って77年には初来日を果たした。3回行なわれた武道館公演の1回を私は観に行ったのだが、会場の多くのファンがお気に入りのメンバー風メイクやコスチュームを身につけていて、まるでハロウィンのような楽しい雰囲気だったのを覚えている。
当時、私は「MUSIC LIFE」という音楽雑誌の編集部にいたのだが、KISSは来日前から毎月のように誌面に登場する常連メンバーで、来日時には当然のように特別号の発行が決められた。取材のために日本ツアーに同行し、インタビューを重ねる中で、編集部の中では彼らがとてもクレバーでプロフェッショナルだという評判が広がっていた。特にポールとジーンはサービス精神も旺盛で、どんなに疲れているときでも私たちのカメラマンがレンズを向けるとポーズを決めてくれて、本当に編集者受けのするバンドだった。
ただ残念なことにその後、KISSはメンバー間のトラブルなどで、まずピーターが抜け、次にエースも脱退。オリジナルメンバーによる活動期間は10年も続かなかった。
多分、KISSの最盛期はオリジナルメンバーが揃っていた70年代後半だったと思うが、その後もポールとジーンはメイクを落としたり、ピーターとエースを呼び戻してワールドツアーを行うなど、ファンを喜ばせるような仕掛け、チャレンジを次々に行っていった。最近では2015年にももいろクローバーZとのコラボで「夢の浮世に咲いてみな」というシングルをリリースして日本のファンをびっくりさせた。
今や全員が70歳近い年齢になったKISSのメンバーだが、彼らのこれまでの軌跡を見ているとこのまま枯れていくとはとても思えない。きっとポールやジーンはこれからも私達を驚かせるようなことをしてくれるんじゃないだろうか。そして、もしかするとそこにはエースやピーターの姿も、また昔のように一緒にあるかもしれない。
≪著者略歴≫
榎本幸子(えのもと・さちこ):音楽雑誌「ミュージック・ライフ」「ロック・ショウ」などの編集記者を経てフリーエディター&ライターになる。編著として氷室京介ファンジン「KING SWING」、小室哲哉ビジュアルブック「Vis-Age」等、多数。
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