2018年04月23日

1971年の今日、エルトン・ジョン「フレンズ」がリリース

執筆者:東ひさゆき

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1971年4月23日はエルトン・ジョン「フレンズ」がイギリスでリリースされた日である。


正直な感想を書くと、「フレンズ」は、数あるエルトン・ジョンのシングルの中でも印象の薄い作品のひとつだ。エルトン、ごめんなさい。あなたには「クロコダイル・ロック」(72年/米・第1位)や、故・ダイアナ元妃に捧げた「キャンドル・イン・ザ・ウインド」(97年/米・第1位)を筆頭にヒット曲が多すぎるから。また、「フレンズ」は本国イギリスではノン・ヒットに終わっているが、同じノン・ヒット・ソングでも、スリー・ドッグ・ナイトがカヴァーした「レディ・サマンサ」(69年)や、日本では2年遅れでシングル・カットされた「イエス・イッツ・ミー」(69年)などは初期の忘れ難い作品だ。


最初から否定的なことを書いてしまったが、「フレンズ」は71年4月23日にイギリスで発売された。ご存知のように、この曲は『007は二度死ぬ』(67年)などで知られるルイス・ギルバートの監督、ショーン・バリーとアニセー・アルヴィナの共演による、10代半ばの少年少女を主人公とした同名恋愛映画の主題歌である(邦題は『フレンズ~ポールとミッシェル~』)。映画の仕事はいち早く70年に『ザ・ゲームス』に関わっているが、シングルの前作が出世作となった「僕の歌は君の歌」(70年/米・第8位)だったことも影が薄くなった原因かもしれない。


曲調自体も「僕の歌は君の歌」と同系統となる、叙情的なバラードだ。もちろん、エルトンと当時のパートナーだったバーニー・トーピン(作詞)が共作。映画は家庭の温かさを知らない少年と、孤児院にいた少女が自分たちの子供まで儲ける愛の物語だが、歌詞自体は愛よりも“友達がそばにいれば、光が見えてくる”などと歌う。話は脱線するが、この頃、話題になった同じイギリスの映画『小さな恋のメロディ』(70年)も少年少女の話だったな、とふと思い出す。


エルトンは本名をレジナルド・ケネス・ドゥワイトという。そのため当初はレグ・ドゥワイトと名乗り、65年にブルーソロジーのメンバーとして、彼の歌う「カム・バック・ベイビー」でレコード・デビュー。68年になると、エルトン・ジョンと改名し、「アイヴ・ビーン・ラヴィング・ユー・トゥー・ロング」でソロとして再出発。そこから数えて、この「フレンズ」は、曲目は異なるものの、イギリス、アメリカともに7枚目のシングルに当たる(再発含む)。実はアメリカでは1か月早く発売されており、イギリスで発売された頃には全米チャートで最高位の第34位に到達。また、この曲を含む、彼とバーニーが手掛けたサントラ盤(米・第36位)は71年度のグラミー賞で最優秀オリジナル・スコア部門にノミネートされている。


2018年になってコンサート・ツアーからの撤退を表明したエルトンだが、彼のキャリアをふりかえると、70年8月にロサンゼルスのトルバドールで行なったライヴの評判が成功への発火点になっており、「僕の歌は君の歌」を含むアルバム『エルトン・ジョン』(70年/米・第4位)が大ヒット。70年度のグラミー賞では最優秀新人賞を始め、3部門にノミネートされている。70年の前半はまだホリーズをサポートしたり、ジェフ・ベック・グループに誘われたりしていたが、ちょっとしたきっかけで人生が動き出している。しかも、この頃になると、先のバーニー・トーピンに加え、プロデューサーのガス・ダッジョン、アレンジャーのポール・バックマスター、ドラムスのナイジェル・オルソン、ベースのディー・マーレイと、彼の周りに全盛期を支える友達が揃い始めていた。


≪著者略歴≫

東ひさゆき(あずま・ひさゆき):1953年4月14日、神奈川県鎌倉市生まれ。法政大学経済学部卒。音楽雑誌「ミュージック・ライフ」、「ジャム」などの編集記者を経て、81年よりフリーランスのライターに。おもな著書に「グラミー賞」(共同通信)など。

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