2017年02月19日
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2017年02月19日
1970年代に「仮面貴族」の異名で日本でも人気を博したメキシコ人覆面レスラー、ミル・マスカラスがリング・テーマ曲として用いた「スカイ・ハイ」という曲を覚えているだろうか? 英国コヴェントリー出身のロック・バンド「ジグソー」が香港オーストラリア合作映画『The Man From Hong-Kong』の主題歌として1975年にリリースした作品で、全英チャート9位、全米チャートでは第3位まで上る大ヒットを記録。その後、ドイツ、オーストリア、日本でも1位に輝いた。
日本では1975年10月25日に発売されていたが、何と言っても大ヒットのきっかけとなったのは、今から40年前の今日1977年2月19日、東京・後楽園ホールで開催された全日本プロレスのエキサイトシリーズ開幕戦で前述のミル・マスカラスが初めて「スカイ・ハイ」をリング入場曲として用いたことによる。以後、彼のテーマ曲としてプロレス・ファンたちに親しまれ、日本テレビのプロレス中継で全国の視聴者たちに認知されていったことで、ミル・マスカラス人気の上昇と共にシングル「スカイ・ハイ」のセールスも急上昇。最終的には120万枚に達し、見事オリコン洋楽チャート11週連続1位(総合チャート2位)という輝かしい記録を打ち立てた。
ちなみに、1977年の年間最高セールスを記録した洋楽シングルもジグソーの「スカイ・ハイ」で、2位オリビア・ニュートン=ジョン「カントリー・ロード」、3位イーグルス「ホテル・カリフォルニア」を押さえて堂々の1位。そんな快進撃は、2月19日の後楽園ホールに「スカイ・ハイ」が鳴り響いた時から始まった。だから、本日2月19日は “「スカイ・ハイ」記念日”なのである。
CMやTV-BGM(特にハングライダー、スカイダイビング、航空機などの映像で)として現在も頻繁に使用され、90年代以降は、作曲者のクライヴ・スコット(ジグソーのキーボード奏者)自身や、ユーロビートのヒット制作チーム「ストック・エイトキン・ウォーターマン」等によるリミックス・ヴァージョンも何度かリリースされている他、米国のヒップホップ系アーティストたちが好んでサンプリングで用いたりしていることもあって、「スカイ・ハイ」は当時を知らない世代でも誰もが一度は耳にしているはず。発表後42年を経た現在もなお色褪せることの無い、まさに不朽の名曲と言えるだろう。
昨年はジグソーが結成されて50周年。来年はシングル「Mr.Job」でレコード・デビューしてから50年目。そして、今年は「スカイ・ハイ」がオリコン洋楽チャートで1位に輝き、YAMAHA主催『世界歌謡祭』出場のためジグソーが初来日してから40周年という、ジグソーにとって3年連続のスペシャル・イヤーズの真っ只中。それを記念して、日本におけるジグソーの楽曲・原盤管理会社であるシンコーミュージック・エンタテイメントが同社のfacebookページ上で「Do you remember JIGSAW?」キャンペーンをスタートした<シンコーミュージックFacebookページはこちら>。また、「スカイ・ハイ」を初めとするジグソー作品の放送メディアでのプロモーションも展開中だ。
さらに、今秋にはジグソー作品を完全網羅した記念CDボックス・セットの発売も予定されている。これを機に、「スカイ・ハイ」以外のジグソー楽曲にも是非一度耳を傾けてほしい。特にソフトロック・ファンにお奨めの名曲揃いである。
≪著者略歴≫
中村俊夫(なかむら・としお):1954年東京都生まれ。音楽企画制作者/音楽著述家。駒澤大学経営学部卒。音楽雑誌編集者、レコード・ディレクターを経て、90年代からGS、日本ロック、昭和歌謡等のCD復刻制作監修を多数手がける。共著に『みんなGSが好きだった』(主婦と生活社)、『ミカのチャンス・ミーティング』(宝島社)、『日本ロック大系』(白夜書房)、『歌謡曲だよ、人生は』(シンコー・ミュージック)など。
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