2017年06月11日

[recommend]傘の日と45年目の新作『べいびぃろん』

執筆者:あがた森魚

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6月11日、今日は傘の日です。


傘は人間にとって必要なようで邪魔なようで、

雨の日の鬱陶しいオブジェにかわりないながらも、なぜか人間の日常生活の中で欠かすことのできないロマンチックな小道具であり続ける。


相合傘と言えば、とある偶然にひとつ傘で肩を寄せ合って、雨をしのぐだけなのに、あれってなんだか妙に気恥ずかしくも嬉しいセレモニーですよね。


蛇の目でお母さんが迎えに来てくれた日、

傘をグルグル回し遠心力で雨を振り払った日、

どれもがプリミティブで、でも心和む光景。


携帯電話はユーチューブからゲームまで、カメラから録音、動画機能、電話はおろかテレビや映画まで観れる。


そう言えば、コンサートで使う音響機器、マイクロフォンからスピーカーに至るまでの音響機器、さまざまな音響システムがあるが、何故か歌を歌うのに、マイクはおろかマイクスタンドまでもが、約半世紀前のシステムから変わってない。

それは定番の音響機器が優れているから他ならないのだが、そのうちマイクも何もなしで歌う日が来るのか?

雨傘のように、なくなってしまえば何か物足りない気もするのか。


ところで僕自身が1972年、「赤色エレジー」でデビューして、今年45年目にあたります。

「赤色エレジー」のヒットで、いきなり与えられたのがアルバム制作。それがキング・ベルウッドレコードからのデビューアルバム『乙女の儚夢』。

林静一や竹久夢二の世界から連想で、大正デモクラシー、浅草オペラ、近代ロマンチズム、とりわけ戦前戦後の少女たちが、女性の輝かしさやフェミニズムに目覚めてゆく近代史を、1枚のアルバムで音楽劇仕立てにしてみた。

その中の一曲にタイトル曲や「赤色エレジー」に並んで入ってた曲が「雨傘」

訪ねて来た彼女が忘れていった傘に、また逢いたい想いを託す、ややおセンチな一曲です(笑)


さてそのレコーディングで全面的に参加したバンド「はちみつぱい」と、45年目にレコーディングしたアルバム『べいびぃろん』が、できあがりました。

ぜひそのデビューアルバム『乙女の儚夢』と対比して聴いて頂きたい。なお7月1日には、東京メルパルクホールで、「あがた森魚&はちみつぱい」という形で、発売記念ライブを行います。ぜひ来て下さい。


≪著者略歴≫

あがた森魚(あがた・もりお):'48 年北海道生まれ。'72年デビュー曲「赤色エレジー」の大ヒットで一躍時代の寵児に。20世紀の大衆文化を彷彿とさせる幻想的で架空感に満ちた作品世界を音楽、映画を中心に展開。全国でライヴを展開中。劇場公開作品3本を監督、俳優や執筆などでも活躍。 
あがた森魚 morio agata・official site>


2017年7月1日(土)

あがた森魚&はちみつぱい in 東京 2017 ~「べいびぃろん」

at 東京・メルパルクホール(東京都港区芝公園2-5-20)

開演:17時

出演:あがた森魚&はちみつぱい

チケット:プレミアムシート SOLD OUT

     一般席 8,000円

問:キョードー東京(phone:0570-550-799)

詳細HPはこちら>

【プレイガイド】

キョードー東京 0570-550-799

(オペレータ受付時間:平日11:00~18:00/土日祝日10:00~18:00)

チケットぴあ 0570-02-9999 (Pコード:329-363)

ローソンチケット 0570-084-003 (Lコード:71904)

イープラス 

べいびぃろん (BABY-LON) あがた森魚&はちみつぱい

乙女の儚夢 Original recording remastered あがた森魚

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