2017年07月23日

[recommend] 『コロムビア・ガールズ伝説』発売記念プレミアムイベント 報告レポート

執筆者:丸芽志悟

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5月24日の3W一挙発売以来、当WEBマガジンでも推して推して推しまくった、アイドル黄金時代四半世紀を辿るアンソロジー『コロムビア・ガールズ伝説』。おかげ様で、追加プレスまで決定するという有難い反響ぶり。筆者もお店を訪れ商品が陳列されている状況を見るのが楽しみで(あるお店ではONE OK ROCKの真下という好ポジション! まぁ、普通コンピものは「わ」の後だから納得の結果ですが)、もし無ければ売れてるんだなと妄想もできたりして、執筆でチョンボはしたもののいい気分が続いていました。

そんな気分が1ヶ月持続したまま、遂に迎えました6月28日、新宿duesでのレコ発イベント。発売前から、何らかの形でイベントができればいいなと夢想していましたが、ディスクユニオン様のご協力により、あっさり実現。しかも、特別ゲストとしてあの三東ルシアさんの参加も決まりました。収録アーティストの中では現役バリバリ度の高さ上位5名に確実に入るお方ではありますが、やはり全シングル曲を選ばせてもらった甲斐がありました。


そんなわけで、当日会場入りの前に新宿のユニオン各店に挨拶回りをして(ちゃっかりレコードも買ってます)、緊張の瞬間を待ちます。このような形で筆者が歌謡曲トークを行うのは、2年前の夏横浜赤レンガ倉庫で開催された「70sバイブレーション!」の一環としてのイベント「阿久悠ナイト」以来のこと。その時に比べても場所が狭いので緊張感は増しますが、三東さんの生歌リハーサルに興奮していつの間にか本気モードに。開場後、次々と来場されるお客さんは、みんなユニオンで商品をお買い上げになって参加券を手にした方ばかりで、有難味が押し寄せてきます。その時、そして本編トークのBGMとしても流れていた音楽は、このイベントのために特別にミックスした「歌のない歌謡曲・70sアイドル編」。そうです、最近の筆者はその手のレコードを救済することに生き甲斐を感じまくっているのです。


いよいよ本編スタート。皆様CDをすでにお持ちになっているのでその収録曲を改めて流すことを避け、限られた時間内でやるべきことをぱぱっとやることに専念。CDの企画が立ち上がり、制作プロセスが進む様子を語るトークから、早くも再収録不能な「ここだけの話」が炸裂しています。当日着用したTシャツは、筆者が2013年に企画班として関わったインディーズロックフェス「ぐるぐるTOIRO」のスタッフ用に配布されたもので、そのデザインを担当したのが『ガールズ伝説』の素晴らしいアートワークを手がけたキタサコクミコさん。さりげなく会場に姿を見せていた可憐な淑女の姿に気付いた方もいらっしゃると思いますが、それが彼女です。


いよいよカルトタイムに突入するかという瞬間に、いきなりのナイスサプライズが。『EARLY YEARS』にデビュー曲「おねがい」を選曲させていただいた水戸井清子(みといせい子)さんから、なんとCD収録を大喜びするお手紙が届き、それが開帳されました。「初めてのレコードが届いた時と同じような興奮を味わっています」というお言葉に、涙を禁じ得ません。芸能レポーターとしての世を偲ぶ姿とは裏腹の、素直で乙女らしい面が伝わってきました。すべてのアイドル経験者は、自身が残した偉業を決して蔑ろにしてはいけないのです。そのためにも、音源を後世に残す作業は決して途絶えさせてはいけません。


そんな感動的なひとときの後は、時間が許す限り「裏・ガールズ伝説」のコーナー。明らかに解決困難な事情に阻まれて収録を見送った曲をいくつか流しました。中でも、ザ・フローラルに続くミュージカラーレコードの第3弾としてリリースされたちひろるりこ「チロルの恋人」の開帳。原盤権が有耶無耶になっているだけに、これは二度と聴けないのではないでしょうか(フローラルはエイプリルフールへと継承されたため、コロムビアからの再発が可能なのですが)。その後、こちらは自主規制により収録を見送った山本由香利「セザンヌの絵のように」を、リフラフ「東京涙倶楽部」とランナーズ「甲子園」を前触れとして流したのですが、その真意は各自推測にお任せします(笑)。


そして、いよいよメインイベント、三東ルシアさん登場。いきなりの生歌は、サードシングル「街角セピア色」。コロムビアのアーカイヴに奇跡的に残っていたカラオケ音源(実に貴重なもので、限定応募特典でいいからカラオケコンピも実現したいかも)を使用。最新のテクノロジーは、質感を変えずにキーを落とすことまでも可能にしましたが、決してアイドル度を失っていない歌声にドキドキです。


歌の後、彼女に貴重なお話をお訊きするコーナーへと突入。謎が多かった歌手デビュー前のCMモデル時代のお話、デビュー後コロムビア内でパッケージを組まされてキャンペーンを共に回った歌手のお話など、目から鱗な秘話が続々。それこそイニシャルトークにさえできない「ここだけの話」が満載でした。「ルシア」の命名のきっかけが彼女がリトル・リチャードの「ルシール」(発売当初の表記は「ルシア」とされることが多かった)を日劇のイベントで歌ったことという事実も、やっとご本人様からの証言が得られました。プロデューサーの上条英男氏は、純粋にエンタメ仕掛け人として凄い人だったと、改めて認識。そして、イベントはセカンドシングル「太陽の季節」の生歌唱で幕を閉じました。あの衝撃的なジャケットは、P誌のグラビア用に撮られたものをそのまま流用したそうです。あの頃のジャケット制作事情が伝わってきますね。


以上、約1時間半という時間の割に濃すぎる展開を見せた『コロムビア・ガールズ伝説』レコ発イベントの模様をお伝えしました。当日、フロア上には河合奈保子や島田奈美が表紙を飾った「オリコン・ウィークリー」を飾りとして置いてみましたが、同誌が80年代末期に行っていた、発売前の新曲を参加者に品評させるイベント「君こそ評論家」の雰囲気を再現することこそが、このイベントの課題でした。完全に再現するためには、参加者からのフィードバックがもっと必要と感じたのですが、今後はそれも見据えつつ、歌謡トークイベントの機会をもっと増やせればと思っています。そして、ディスクユニオン各店様では、貴重な生写真特典を用意しての『コロムビア・ガールズ伝説』の販売を引き続き行っております。今後の続編実現にも繋げられるよう、まだ未購入の方は是非応援よろしくお願いします! 他社も刺激してあげたいし!



<特典情報>
『コロムビア・ガールズ伝説』をディスクユニオンにてお買上げ頂いた方に先着でオリジナル特典ブロマイドをプレゼントします!
※絵柄は各タイトルで異なります。
※特典は数に限りがございますので、なくなり次第終了となります。また、一部特典の取扱いがない店舗もございます。
※特典の有無に関するお問い合わせは直接店舗へご確認ください。


≪著者略歴≫

丸芽志悟 (まるめ・しご) : 不毛な青春時代〜レコード会社勤務を経て、ネットを拠点とする「好き者」として音楽啓蒙活動を開始。『アングラ・カーニバル』『60sビート・ガールズ・コレクション』(共にテイチク)等再発CDの共同監修、ライヴ及びDJイベントの主催をFine Vacation Company名義で手がける。近年は即興演奏を軸とした自由形態バンドRacco-1000を率い活動、フルートなどを担当。 5月24日、初監修コンピレーションアルバム『コロムビア・ガールズ伝説』(3タイトル)が発売された

「大人のMusic Calendar」初協賛コンピレーションアルバム~コロムビア・ガールズ伝説 EARLY YEARS(1965~1972) オムニバス (アーティスト)

「大人のMusic Calendar」初協賛コンピレーションアルバム~コロムビア・ガールズ伝説 FIRST GENERATION(1972~1979) オムニバス (アーティスト)

「大人のMusic Calendar」初協賛コンピレーションアルバム~コロムビア・ガールズ伝説 SECOND GENERATION(1980~1988) オムニバス (アーティスト)

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