2019年05月02日
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2019年05月02日
平成最後の大型連休真っ只中の5月4日、『忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー 日比谷野外大音楽堂 Love&Peace 2019年5月4日 ~FINAL~』が行われる。清志郎とゆかりの人たちを中心に、彼の残した曲を大いに歌って楽しみ彼の大きさに浸るイベントだ。2011年から2017年まで続いてきたイベントだ。2018年は開催されなかったので2年ぶり、日比谷野音では2016年以来3年ぶりになる。
2009年5月2日に旅立った清志郎とファンとのお別れ『青山ロックン・ロール・ショー』(2009年5月9日、青山葬儀所)から10年目、”全部出し切ろう”との趣旨で今年も行うことになったそうだ。その記念すべき回が日比谷野音で行われるのも必然という気がしてくる。
RCサクセション、そして忌野清志郎は日比谷野音で常に節目となるライヴを行ってきた。私が初めてRCサクセションを見たのも日比谷野音だった。その日は自分の記憶と『生卵~忌野清志郎画報』の記録を擦り合わせると1979年4月29日。何組かが出演するイベントにRCサクセションが出演していた。リンコ和生(B)、新井田耕造(D)、当時はゴンタ2号と呼ばれたキーボードにギターは小川銀次。仲井戸麗市は「友達が来てくれたぜ」と呼び込まれた。シングル「ステップ」のジャケットと同じ真っ赤なスーツにピカピカの靴で清志郎はステージを跳ねまわり、「上を向いて歩こう」も歌った。その時から私は彼らのファンになり、「こんなすごいバンドを紹介したい」と音楽ライターになった。
翌80年7月5日『エネルギーohエネルギー』と題した初の日比谷野音の盛況を受け、次いで行われた10月26日の『Sweet Soul Music』でリリース直前の「トランジスタ・ラジオ」を披露、まさに”ホットなナンバー”が”空に溶けて行った”のだった。81年8月の2daysは会場周辺まで清志郎たちの扮装や浴衣姿の若者で溢れ、86年は4daysがライヴ盤『the TEARS OF a CLOWN』に収録された。RCとしての野音は、春日博文と厚見玲衣がサポートした90年8月が最後になったが、活動休止後に初めて清志郎と仲井戸麗市が共演したのは94年8月の『GLAD ALL OVER』だった。
その後も大所帯バンドScreaming revueや泉谷しげるとのユニット「スパイスマーケット」、デビュー35周年の『YAON35』など、清志郎にとって何か新しいこと面白いことは野音で起こってきたように思う。2019年の野音も、清志郎にとって新しい事の始まりになるのだろう。
RCサクセション「ステップ」「トランジスタ・ラジオ」ジャケット撮影協力:鈴木啓之
≪著者略歴≫
今井智子(いまい・ともこ):『宝島』編集部で、音楽記事担当者として同誌の編集・執筆に携わる。1978年フリーとして執筆活動を開始。以後、「朝日新聞」レコード評およびライヴ評、「ミュージック・マガジン」などを始め、一般誌・音楽誌を中心に洋邦を問わずロックを得意とする音楽評論家/音楽ライターとして執筆中。著書「Dreams to Remember 清志郎が教えてくれたこと」(飛鳥新社)など。
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