2019年06月24日

本日、6月24日はジェフ・ベックの誕生日。75歳となる

執筆者:佐藤晃彦/JEFFSATO

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今日はジェフ・ベックの誕生日、1944年6月24日生まれ、エリック・クラプトン等より一歳上の75歳となる。60年代から活躍しているアーティストは皆70代となり、悲しいことに亡くなったミュージシャンも少なくなく、引退、最後のコンサート・ツアー、活動を続けるも正直主要メンバーのいない再結成や、営業ツアーと言わざるを得ないバンドも少なくない。


そんな中でも常に新たなサウンドへの挑戦、テクニックのレヴェル・アップを続けている筆頭と言えるミュージシャンはジェフ・ベックであろう。ヤードバーズのメンバーとしてデビュー50周年を超え、未だにアルバム毎に新たなサウンドに挑戦し、その実力と実績はロック・ギタリストのトップと言っても過言ではないだろう。ジェフの場合、自身がやりたい音楽をその時代時代で求め、そして完成するとまた次のやりたいことが生まれ出てきてしまうギタリスト、ヒットを飛ばしたいという欲は50年前からほとんどなく、さて次こそと思うとバンド解散や指向の違う音楽を求め、マスメディアやファンをその都度混乱させているが、結果ファンを魅了し、唯一無二のテクニックとサウンドを作り上げ続けている。ジェフは他の多くのスーパー・ミュージシャンのように作詞・作曲はほとんど興味をもたず、ひたすら自分のギターのテクニック、ニュアンス/表現力を高め、そのプレイを表現するためのメンバーを集め、そしてレパートリーとする楽曲は音楽ジャンルや作曲者では選ばず、自身のプレイを最高に際立たせる曲を、オリジナル、カヴァー曲を問わずセレクトするという手法だ。


彼が同じメンバーでアルバムを作ったのは第二期ジェフ・ベック・グループの2枚だけ、それ以外はすべてアルバム毎にメンバーが変わっている。'00年にインタビューをさせて頂いた際、自身の過去の作品を聴くことはほとんどないと答えていた、常に次のサウンドのことで頭が一杯なのだろう。旧作のデラックス・エディションや過去のライヴ音源が発売されることがほとんどないのも、そんなジェフの考えが反映しているからであろう、ベスト盤の発売も本人はいつもほとんど関わっていないようである。


ライヴ・ツアーでは常に新作ほぼ全曲と数曲の代表曲のみというライヴを続けてきたジェフも、'02年頃から少しづつ過去の楽曲をプレイすることが増えてきていることはファンにとっては嬉しいこと、あまり好きでなかったライヴ作品のリリースも増えてきている。


そしてそんな中、ジェフとロッド・スチュワートの共演コンサートが突如発表された。9月27日の一夜限り、米ロサンゼルスのハリウッド・ボウルで行われる。ロッドと言えばジェフが彼をバンドから失って、いろいろなヴォーカリストを探すも彼を超えるシンガーを見つけることが出来ず、そのバンド・メンバーや活動に悪戦苦闘する中で出会った、マイルス・デイヴィスやマハヴィシュヌ・オーケストラ等から影響を受け完成したギター・インストゥルメンタルという世界。その自身の方向性を見つけたのはアルバム "BLOW BY BLOW" からということになるが、もしもロッドとの活動が長く続けていたなら、ジェフの音楽性もまた少し変わっていたのかもしれない。しかし長く続いたとも思われないので、結果ギター・インストゥルメンタルをやっていたとは思われる。


ロッドとの再共演は'85年、ジェフとロッドのドラマーを務めたカーマイン・アピスが引き合わせた 'People Get Ready' で成熟した見事なコラボレーションが完成、シングル・ヒットにもなったが、その後何度かゲスト共演やアルバム制作の話も持ち上がるが立ち消えていた。ロッドは最近のコメントで「引退ツアーということはやりたくないが、だんだんとフェイド・アウトしてミュージシャン人生を終えたい、そしてロックを歌うことはそろそろ終わりにし、アメリカン・スタンダードを歌っていきたい(大意)」と語っている。


今回の共演はおそらく最初で最後の本格的再共演、ジェフが今のジェフとして活躍する前の最も重要なミュージシャンはロッド・スチュワートと言って良いだろう。私が中学生のギターを弾き始めた頃発売されたアルバム "TRUTH" "BECK-OLA" からの曲をもちろん演奏してくれるだろう。'68-69年頃のアルバムは私自身にとって最も影響され、いまでも最も好きな時代。最後の共演になっては欲しくないのだが…、楽しみでもある。



多くのミュージシャンは年齢を重ねて、多少高い声が出なくなっても全盛期のプレイが出来なくなっても続けていることは、寂しい現実であるが何十年もライヴを楽しませてくれていることは嬉しいことでもある。しかし私の個人的な考えであるが、声量が落ちても座って歌う弾き語りのミュージシャンや、しゃがれ声のいぶし銀のブルース・ミュージシャンとは違って、ジェフは自身のプレイが思い通りに出来なくなったと思った時、すっぱり引退してしまうのではないかと思っている。そんな日が来ないことを願うばかりであるが、あのプレイを少しでも長く聴かせて欲しいばかりである。


ジェフ・ベックと筆者 2000年、ロンドン、ソニー・オフィス(カーナビー)


≪著者略歴≫

佐藤晃彦 / JEFF SATO(さとう・あきひこ):1955年10月13日生まれ、78~00年までワーナー・ミュージックとユニバーサル・ビクターで、主に洋楽・邦楽ディレクターとしてジャクソン・ブラウン、モトリー・クルー、ラウドネス、渡辺貞夫、松岡直也、憂歌団、喜多郎、hide/pata (X Japan)、Zeppet Store等を担当、独立後(有)ジェフズ・ミュージックを設立、音楽制作、インディーズ・音楽著作権管理、大学・専門学校講師、おやじバンド・イヴェント企画、音楽ライター、CDレコード・ショップ運営等を行う。

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