2015年04月29日
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2015年04月29日
49年ぶりのポール・マッカートニー武道館公演はやはり、素晴らしかった。みなさんの人生の振子は大きく戻ったようです。大人のための音楽の情報をコラムで提供するこの「大人のMusic Walker」、今回はそのポールの「ペーパーバック・ライター」にまつわる、ちょっとマニアックな歌詞についてのあれこれを。
ビートルズとしての転機を迎えた時期、つまりライブ活動の限界をさとり、スタジオ録音でのサウンド制作にシフトし始めた時のポールの曲に「ペーパーバック・ライター」がある。この曲でポールはベース・ギターのレコーディングに最大限のアイデアと録音技術を注ぎ込み、あたかもリード・ギターのような効果を生み出し大きな魅力とした。世界的な人気を勝ち得た彼らにとってスタジオ・ワークは時間的にも技術的にも際限がない状態だったこの時期から様々な実験的録音術を試したようだ。そしてこの曲はまたコーラス・ワークも凄い。今なら簡単にできてしまう冒頭の多重アカペラ・コーラスも当時はダビングにダビングを重ね作りあげたもの。さらに歌詞においてはそれまでの恋愛などを題材にしたものから一躍架空の作家志望の男を主人公にすえたものに、とあらゆる面で世界を広げた。
さてサウンドも歌詞の世界もすべてが革新的だったこの曲にポールが加えた遊び心は3コーラス目からバックに入る裏声のコーラスである。もちろん私も初めて聴いた当時は何を歌っているのかまったくわからなかったが、後に「Frere Jacques」(フレール・ジャック)と繰り返す「ジャック修道士」という古くからフランス語圏に伝わる民謡(童謡?)であることがわかった。と言われても、これだけでは拙文をお読みの方にはそれが何なのかわからないだろう。英語圏では「Are you sleeping」として歌われ、日本語では「グーチョキパーで何つくろう」のあの歌である。おそらくポールは子供の頃から慣れ親しんだであろうこのメロディをすべてが革新的に制作されたこの曲の隠し味に選んだのだ。だが英語で「Are you sleeping」と歌ってしまっては意味が生まれてしまう。ということでここはフランス語で「Frere Jacques」とすぐには意味を聴きとれないようにしたはずだ。革新の中の茶目っ気、ポールはこの曲がすべて革新的なままにおさめることに照れたのではあるまいか。そこでこんな純真な気持ちもあるよ、と後ろの方にこの童謡をそっとちりばめておいたのだろうと思っている。
ちなみにこんなにスタジオ的で再現の難しい新曲を、1966年の初日本公演で選曲していたのはライブ好きのポールならではだ。
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