2015年05月11日

本日はいずみたくの命日。23年前、1992年に62歳で亡くなった。

執筆者:丸芽志悟

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本日はいずみたくの命日。23年前、1992年に62歳で亡くなった。


いずみたくの代表作の一つ、「世界は二人のために」(歌: 佐良直美)が発表された昭和42年といえば、世はまさにサイケデリック革命の真っ只中。同曲が醸し出すロマンティックな愛のイメージは、「自由な愛と平和」を謳うサイケの世界の対局と言える。だからこそ、若者の躍動感をメロディ化させたら天下一品のいずみたくが、当時一世を風靡していたサイケ時代の申し子、グループサウンズ勢には、あまり沢山の作品を提供していないのも納得するしかない。
しかし、いずみたくとGSの関連性を語るとき、忘れてはならないものがある。昭和43年公開の映画、「進め! ジャガーズ敵前上陸」(監督: 前田陽一、松竹)だ。


人気絶頂のザ・ジャガーズを主役に、中村晃子、てんぷくトリオなどの人気者で脇役を固め、ビートルズの映画やモンキーズのTVショウにヒントを得つつ、戦中〜戦後の日本の歩みや当時の流行を皮肉を込めてディフォルメし、今や日本映画史に残るカルト作として評価されている作品。エンディングテーマ曲としてジャガーズが歌う「進めジャガーズの歌」も含め、劇伴全ての作曲を手掛けているのが、いずみたくである。時にパロディセンスや前衛的タッチを織り込みながら、ジャガーズのロックサウンドとコントラストを描く鋭い音楽を提供しており、特に尾崎奈々演じる敵組織のボスの娘で悲劇のヒロイン・雪子の登場シーンで印象的に使われる、通称「雪子のテーマ」と呼びたい曲のメロディの美しさは、数あるいずみ作品の中でも最上級の一つだ。


この映画の面白さの一つに、随所に当時の風俗や流行歌を連想させるヒントが、まるでサンプリングのごとく巧妙に散りばめられていることが挙げられるが、その中に「世界は二人のために」も含まれているのが心憎いというか、格別のアイロニーだ。その大ヒット曲「世界は二人のために」の英語カヴァー・ヴァージョンが、米国でリリースされていることを知る人は意外と少ないかもしれない。


1969年(昭和44年)ジュビリー・レーベルからリリースされたザ・コロネードスのセカンド・アルバム"Hey, Love"に収録されている"The World Belongs To You"がそれである。どういった経緯で取り上げられたかは不明だが、今ならソフトロックとして捉えることも可能な、当時のMORコーラスの黄金律に則ったコーラスアレンジが施され、原曲よりフリーラヴ度の高い仕上がり(?)。アルバムの中の他の曲では、これまたいずみの代表作の一つ「ゲゲゲの鬼太郎」のイントロに酷似した琴の音が聴けるので、もしかしたら制作陣は意識していたのかも。


このコロネードス、兄弟二人とうち一人の奥さんから成るファミリー・コーラス・グループで、60年代初期からインディアン=アメリカン系ライヴアクトとして地道に活動していたそう。日本でもシングル「悲しみの彼方に」のB面として、ひっそり紹介されている。ちなみにA面曲の方は、"境界線上のGS"ファイヴ・キャンドルズが、同時期にシングルでカヴァーしている。
このヴァージョンがヒットして、「上を向いて歩こう」で中村八大が達成した偉業にいずみたくが続いたとしたら…と夢想するのも楽しいかも。


いずみたく

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