2015年06月04日

フォーリーブス、残りの“葉っぱ”のひとり江木俊夫が今日6月4日、63回目の誕生日を迎える

執筆者:中村俊夫

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今や特定芸能事務所とその所属タレントの集合体を指す名称としてだけでなく、若いイケメン野郎全般を意味する用語(この場合は語尾に“系”を付ける)としても広く認知されている「ジャニーズ」の語源的存在である初代ジャニーズ。その弟分として1966年末に結成されたのがフォーリーブスである。


結成当時のメンバーは北公次、江木俊夫、おりも政夫、永田英二の4人。初代ジャニーズが年齢的にもアイドルとしての鮮度が落ち、新興勢力のスパイダースやブルー・コメッツ、ワイルド・ワンズ(奇しくものちにこのバンドに参加する渡辺茂樹は、元々フォーリーブスのメンバー候補でもあった)等に人気を喰われてきたことへの対応策として誕生しただけに、メンバーの若年化に重点が置かれ、平均年齢14歳。最年少の永田に至っては当時まだ小学生だった(結局、それが理由で正式デビュー前に青山孝と交代させられるが)。


GSブームもピークを迎えた1968年9月5日、創業したばかりのCBSソニー第一回発売作品のひとつとしてリリースされたデビュー曲「オリビアの調べ」(オリコン15位)は、テンプターズやオックスあたりが歌っても違和感は無いような曲調で、TVの音楽番組や「ウェスタンカーニバル」やジャズ喫茶などライヴの場においても人気GSたちと互角に渡り合っていたが、一般的な認識においてフォーリーブスはGSとは“別もの”であった。


これは、基本的に楽器を持たず(時おり楽器演奏も披露していたが)、専属バンド「ハイソサエティ」をバックに、初代ジャニーズから継承した“歌って踊るボーイズ・アイドル”という路線を決して崩すことがなかったことが大きな要因だろう。対して、フォーリーブス同様にバック演奏を専属バンドにまかせて分業化していたコーラス・グループ「シャープ・ホークス」が、何故か現在もなおGSというジャンルで語られている理由も、その“歌って踊る”というコンセプトの違いにあるのかもしれない。


このように世間からGS視されなかったからこそ、ブームが去った後もフォーリーブスはGSたちと心中することはなく70年代をサバイバルできた。孤高の美少年集団ジャニーズ・ファミリーの核として78年の解散まで第一線で活躍し続け、第一期ジャニーズ黄金時代を築き上げた彼らこそ、現在、少年アイドル市場をほぼ独占しているジャニーズ帝国の開祖と呼ぶにふさわしいだろう。


そんなフォーリーブスも現在メンバーの半分が鬼籍に入り、ザ・ビートルズやザ・フー、ザ・ジャガーズなどと状況的には同じだ。そして、残りの“葉っぱ”のひとり江木俊夫が今日6月4日、63回目の誕生日を迎える。最近では往年のアイドルたちと一緒にライヴ活動をしている彼だが、これからもフォーリーブス伝説の生き証人として益々の活躍に期待したい。

「オリビアの調べ」フォーリーブス写真提供:ソニー・ミュージックダイレクト

ソニーミュージック フォーリーブス公式サイトはこちら>

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