2017年09月25日

1968年の今日、ジャガーズ「星空の二人」リリース。今年はジャガーズ50周年

執筆者:本城和治

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今年はジャガーズ・デビュー50周年、今日9月25日は「星空の二人」(68)のリリース日です。


“新生”ジャガーズによる筒美京平作品はがらりと趣を変えたR&Bスタイルの佳品だった。


ミリタリー・ルックが最も似合うGSと云われたザ・ジャガーズはフィリップス・レコードのGSとしては66年のザ・スパイダーズ、ザ・サベージ、67年3月のザ・リンド&リンダースに続く4番目のグループとしてザ・カーナビ―ツと同時に67年6月1日に「君に会いたい」でデビューした。


1963年結成の「野獣会オールスターズ」を母体とするエレキバンド「宮ユキオとプレイ・ファイブ」が前身で65年にNET(現テレビ朝日)の『エキサイト・ショー』にレギュラー出演し名前を知られる。66年後半に岡本信がヴォーカリストとして加入し6人グループとなり、ザ・ジャガーズと改名して満を持してのデビューとなった。


デビュー曲の「君に会いたい」が大ヒット、シングル第2作「ダンシング・ロンリー・ナイト」、第3作「マドモアゼル・ブルース」と順調にヒットし、68年3月には『進め!ジャガーズ敵前上陸』(松竹)で映画初主演したが、金銭問題で内紛が生じ、結局リーダーのドラマー宮ユキオが3月一杯でグループを脱退(後にニュー・ジャガーズを結成する)し、後任ドラマーに浜野たけしが加入、サイド・ギターの宮崎こういちが新リーダーとなって“新生”ジャガーズとして活動を再開した。

6月25日に英国のデイブ・ディー・グループの大ヒット曲の日本語カヴァーである「キサナドゥ-の伝説」をシングル第4弾として発売、見事にヒットさせた。この同月同日にはザ・テンプターズが同じなかにし礼の作詞による「エメラルドの伝説」を発表している。


そして9月25日には「マドモアゼル・ブルース」を書いた橋本淳・筒美京平コンビによる2作目のシングル盤「星空の二人」(B面は「恋のパスポート」)が発売になったのである。

オリコン・チャートは58位に留まる。この作品は初めてジャガーズにブラス・セクションを導入したR&Bサウンドで黒人のドゥーワップ・コーラスをヒントにしたユニークなGS作品に仕上がっている。クロっぽさが売りのジャガーズに爽やかな風を送り込んだ筒美京平のセンスが伺える。ジャガーズのフアンの中でもこの曲のフアンはとても多い。


このあとジャガーズのシングルは橋本・筒美コンビの曲が「恋人たちにブルースを」「二人の街角」と3作品続くことになるが、次作では69年のGSの衰退を暗示するかのごとくジャガーズも歌謡曲調の楽曲に変貌することになる。プロの作家に頼らざるを得なかったジャガーズは結局シングル4作品を筒美作品で勝負した。フィリップスGSの筒美作品はジャガーズ以外ではザ・ヤンガーズの後期のシングル2作のみである。


グループは71年7月に解散するが81年にオリジナル・メンバーで再結成され、テレビやステージに元気な顔を見せ、その後も宮、沖津、宮崎、森田、岡本の5人で活発にライブ活動を続けた。


ヴォーカルの岡本信は2009.4.19死去

初代リーダーの宮ユキオは2013.10.29死去

二代目リーダーの宮崎こういちは2014.9.30死去


とうとうオリジナル・メンバーは沖津、森田、佐藤の3人になってしまった。


≪著者略歴≫

本城和治(ほんじょう・まさはる):元フィリップス・レコードプロデューサー。GS最盛期にスパイダース、テンプターズをディレクターとしてレコード制作する一方、フランス・ギャルやウォーカー・ブラザースなどフィリップス/マーキュリーの60'sポップスを日本に根付かせた人物でもある。さらに66年の「バラが咲いた」を始め「また逢う日まで」「メリージェーン」「別れのサンバ」などのヒット曲を立て続けに送り込んだ。

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