2017年05月21日
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2017年05月21日
Charが在籍していたことで知られる伝説のバンド「スモーキー・メディスン」で、“下北沢のジャニス”の異名を取った女性ヴォーカリスト金子マリと、同じくスモーキー・メディスンで、敬愛するティム・ボガード(バニラ・ファッジ~カクタス~BBA)ばりのパワフルなベース・プレイを聴かせていた鳴瀬喜博が、75年にバンド解散後、元ジプシー・ブラッド~サディスティック・ミカ・バンドのギタリスト永井充男、学習院大学の軽音部でプログレ・バンドを率いていた難波弘之(key)、慶応大学の音楽サークルで活動していた橋本英晴(ds)と共に結成したのが、金子マリ & BUX BUNNY(バックスバニー)は、東京周辺と関西でライヴ活動を展開するうちに話題を呼び、当時、従来の歌謡ポップスやフォークに代わる新しい若者向けの音楽( “ニューミュージック”と名付けられた)制作部門の新人アーティストを探していたCBSソニー(当時)から、アルバム『MARI & BUX BUNNY』でレコード・デビューした。今から41年前の今日1976年5月21日のことである。
彼らの魅力は何と言っても、金子マリのソウルフルでパンチの効いたヴォーカルと、抜群の演奏力を持つバッキング勢が生み出すファンキーなサウンドにあった。我が国におけるソウル・ファンクとロックの融合においては、サディスティック・ミカ・バンドとキャラメル・ママという先駆者がいたが、まさにBUX BUNNYは、ほぼ同時期に関西からデビューしたソー・バッド・レヴューと共に、時代のトレンドとも言えるファンク・ロックの継承者だったのである。もちろんデビュー・アルバムにもそんな要素が散りばめられ、特にシングル・カットされた「あるとき」、強烈なインスト曲「韋駄天BUNNY」、オリジネイターのソー・バッド・レヴューよりも早いレコード化となった「最後の本音」などに色濃く反映されている。
その後、金子マリ & BUX BUNNY はドラマーの交代(橋本→ジョニー吉長)とキーボード奏者の交代(難波→川崎雅文)を経て、79年に解散するまでに計4枚のアルバムをリリース。今年の3月にはデビュー40周年を記念して、全アルバムを紙ジャケCD化(1stとラスト・アルバムは初CD化)したボックス・セットもリリースされた。、ファンキーなビートを軸に独自のグルーヴを生み出していた彼らのサウンドは、40年の歳月を経た現在聴いても決して古びてはおらず、新しい発見も多い。いかにこのバンドが先見性のある音作りをしていたかの証明と言えるだろう。
ボックス・セットのリリースに合わせて、30数年前ぶりにオリジナル・メンバー(橋本は不参加)が集まってのライヴも3月に行なわれたが、解散後も各々アーティストとして活躍を続けていたキャリアの年季も加わり、演奏力が驚異的にパワーアップ。最新型のBUX BUNNYサウンドで、彼らのライヴ体験は初めてという若い世代をも十分に納得させるステージを展開してくれた。これ一回限りでは勿体ない。今回見逃した人のためにも、叶うものなら、ぜひもう一度ライヴを…と切に願うのだが…。
≪著者略歴≫
中村俊夫(なかむら・としお):1954年東京都生まれ。音楽企画制作者/音楽著述家。駒澤大学経営学部卒。音楽雑誌編集者、レコード・ディレクターを経て、90年代からGS、日本ロック、昭和歌謡等のCD復刻制作監修を多数手がける。共著に『みんなGSが好きだった』(主婦と生活社)、『ミカのチャンス・ミーティング』(宝島社)、『日本ロック大系』(白夜書房)、『歌謡曲だよ、人生は』(シンコー・ミュージック)など。
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