2016年12月13日
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2016年12月13日
本日、12月13日はゴダイゴのリーダー、ミッキー吉野の65歳の誕生日である。1951年生まれ。神奈川県横浜市出身。改めていうまでもないが、彼が広く世間に知られるようになるのは1968年、ザ・ゴールデン・カップスに参加してからだ。天才キーボード奏者として脚光を浴びる。ミッキー、16歳の時。早熟の天才といえる。彼の略歴はオフィシャルホームページなどを参考にしてもらいたいが、彼の肉声を盛り込んだ生の歴史を知りたければ、昨2015年10月に上梓した『ミッキー吉野の人生(たび)の友だち』(シンコーミュージック)を読んでいただきたい。栄光の軌跡とともに“事件”のことなども赤裸々に語られている。ファンならば必読。
今年、2016年はゴダイゴにとって、記念すべきデビュー40周年の年だった。偶然とはいえ、申年。“MONKEY MAGIC”とともに慌ただしく、周年イヤーが過ぎていった。
春には40周年を記念するアニバーサリー・コンサート『GODIEGOwith billboard classics premium strings 2016』を大阪と東京で開催。ゴダイゴのメンバー(ミッキー吉野、タケカワユキヒデ、浅野孝已 、スティーブ・フォックス、トミー・スナイダーに吉澤洋治を加えたロクダイゴ!)に竹越かずゆき、ゴダイゴ・ホーンズ、ストリングス、クワイヤー総勢80余名で、ゴダイゴの偉大なる歴史を総括する圧巻の演奏を繰り広げたのだ。
秋にも40周年を記念するコンサート・ツアー『Godiego 1976-2016 40th Anniversary Concert』を開催。11月12日(土)、東京・中野サンプラザで開催されたゴダイゴ40周年ツアーの最終公演『GODIEGOCONCERT 1976-2016 40th Anniversary Concert ~カトマンズ震災チャリティコンサート~』は申年の締めらしく、「MONKY MAGIC」から始まり、“西遊記”と“シルクロード”をテーマにしたものだった。春の公演同様、“ロクダイゴ”に竹越かずゆき、ゴダイゴ・ホーンズ、クワイヤー、ダンサー総勢100名超えの拡大版ゴダイゴとして登場。進化していく様は、まさに“シン・ゴダイゴ”という迫力である。
同公演の模様はテレビやスポーツ新聞、ウェブなどでもたくさん、取り上げられた。流石、国民的バンドの40周年の締めくくり、それだけのニュースバリューがあるということだろう。報道ではシルクロードの旅の映像などとともにゴダイゴが“西遊記”のコスプレをしたと話題になった。報道ではあたかもこのためにコスプレをしたように表現されているが、同コスプレ写真、1978年10月にリリースされたシングル「ガンダーラ」のジャケットのために撮影されたものだ。ちなみにミッキーは猪八戒、タケカワは沙悟浄、浅野は三蔵法師、スティーブは馬(!?)、そしてトミーは孫悟空という役回りである。同写真について、79年の音楽番組でコスプレして以来、37年ぶりに変身とあったが、間違いである。当時と変わらないと書かれたものもあったが、当たり前である、当時のものだ(笑)。
コスプレ写真とともに大きな話題になったのはミッキーの吉野の「ザ・ゴールデン・カップスとか50周年やっているバンドもいるから、(ゴダイゴも)50周年、できるでしょ」、「次は50周年です。末永くよろしくお願いします」、」という発言ではないだろうか。
50周年にはあと10年。気が早くも気も遠くなる話だが、ミッキー自らザ・ゴールデン・カップスで50周年(本年7月、10月にはエディ藩(G、Vo)、ルイズルイス加部(B)、マモル・マヌー(Vo)らとともに『THE GOLDEN CUPS 50th ANNIVERSARYSPECIALBACK TO STORMY MONDAY』を開催)を経験しているだけにそれも実現不可能な話ではないし、2006年のゴダイゴ再始動の際には永久活動宣言もしている。
50周年を前に40周年を改めて振り返ると、ゴダイゴ結成40周年企画作品の第1弾作品『ゴダイゴ コレクターズ DVD BOX 2 ~アーカイブスセレクション~』に続き、同企画第2弾作品として、ユニバーサルミュージックで発売されたシングルなどを集めたベスト・アルバム『GODIEGO THE BEST』が11月に発売された。「MONKEY MAGIC2006」(2006年日本テレビ系「汐留イベント部」5月エンディング・テーマ)を始め、「きみはミラクル!」(NHK みんなのうた 2015年10月 - 11月期)、「ONE FOR EVERYONE 」(2007年NHK BS2 アニメーション『シルクロード少年ユート』オープニング・テーマ ) 、「Walking On」(日本テレビ『ぶらり途中下車の旅』第24代テーマ曲)「BIG MAMA 」、「カトマンズ 2015 (COMING TOGETHER IN KATHMAND)」、「Tomorrow Of Your Dreams (Japanese Version)」(2016年桧家HD CM曲) など、全13曲を収録。
ベスト盤ながらゴダイゴにとっては待望の新作である。特にコンセプトやテーマを掲げていないところが、過去の『CMソング・グラフィティ ゴダイゴ・スーパー・ヒッツ!』や『M.O.R.』、『FLOWER(フラワー)』などを彷彿させる。コンサートなどでは永遠の名曲に隠れてしまいがちだったが、改めて現在のゴダイゴの魅力を知ることができる。特に「Tomorrow Of Your Dreams」はセルフ・トリビュート、もしくはセルフ・オマージュとでもいうべき作品といっていいだろう。『CMソング・グラフィティ――』に収録されていた過去の名曲のフレーズが引用されている。昔からのファンならにやりとさせられるはず。
また、1994年にリリースしたベスト盤『GREAT BEST Vol.1 GODIEGO-Japanese Version-』と『GODIEGO GREAT BEST Vol.2 -English Version-』のハイレゾ音源(24bit/96kHz)が本年11月18日~11月24の【e-onkyo ハイレゾ音源 売れ筋ランキング】に宇多田ヒカルやRADWIMPSの新作を抑え、各々、1位と4位にチャートインした。
さらに、ゴダイゴの新作だけではなく、ミッキーはEnTRANS/エントランス結成15周年を迎えた記念に、書き下ろしナンバーを中心とした初のスタジオ録音によるオリジナル・アルバム『BE OUR GUEST!!』を10月にリリースしている。いつの間にか、15周年という感じだが、プレスリリースを一部引用すると、スティービー・ワンダーやハービー・ハンコック、ももクロ、嵐などとの共演で知られる世界的太鼓ドラマー・ヒダノ修一の呼びかけで、2001年にスパイダースの井上堯之(G)、ミッキー吉野(Key)、カシオペアの鳴瀬喜博(B)、カーティス・クリーク・バンドの八木のぶお(Harp&Vo)が集結。「すべての音楽の入り口となり、やがてトランスしていく」という願いを込めて、EnTRANS/エントランスとして活動を開始。ムッシュかまやつ、小室等、世良公則、ジョー山中、亀渕友香&VOJA、金子マリ、浅野孝已 、ROLLY、トミー・スナイダー、本多俊之、ジョン”JR”ロビンソンら多彩なゲストを迎えて精力的に活動。2008年に井上堯之が芸能界引退を表明。1年後にヒダノ、ミッキー、鳴瀬、八木の4人による第2期EnTRANSが始動している。
結成15周年を記念した『BE OUR GUEST!!』、ロック、ジャズ、ファンク、スワンプ、民謡…など、幅広い音楽を呑み込み、独自のグルーブを生み出す。“和フュージョン”などというと軽薄な響きになるが、和魂洋才とでもいうべき、彼らでなければ作りえない音楽だろう。ゴダイゴだけでは語れないミッキーの多彩で多才な活動を知ることができるのだ。
同作の発売を記念して、10月に神奈川と東京のライブハウスで、『EnTRANS 「Be Our Guest!!」発売記念- EnTRANS Super Live 2016』を開催している。同月22日、23日に東京・恵比寿ガーデンプレイスで開催されたブロードキャスター、ピーター・バラカンが主宰するイベント『LIVE MAGIC!』(EnTRANSは10月23日)にも出演した。
ミッキー吉野、齢65、その創作意欲は衰えず、活動のペースも留まるところを知らない。来年2017年には50周年に向かう1年目が始まる。ゴダイゴのオリジナル・アルバムも聞きたいところ。実は1977年11月に『DEAD END(デッド・エンド)』をリリースしてから2017年は40年になる。同作が実質的なゴダイゴのデビュー・アルバムであることはよく知られている(公式デビュー・アルバム『ゴダイゴ(組曲:新創世紀)』は当初、タケカワの2枚のアルバムとしてリリース予定のものだったが、ゴダイゴ結成に際して、急遽、デビュー・アルバムになったという経緯がある)。ならば真の40周年は来年か。いずれにしろ、ゴダイゴの動きから目を離せない。EnTRANSを形にした今、ミッキー吉野のソロとしての活動にも注目だ。思わぬコラボレーションもあるかもしれない。楽しみである。
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◆ ザ・ゴールデン・カップス 50周年記念 クリスマスライブ
公演日程: 2016年12月23日(金)
会場:Club Lizard YOKOHAMA (神奈川・横浜)
時間:Open 16:30 / Start 17:30
出演:The Golden Cups (エディ藩(G.,Vo.)/ルイズルイス加部(B)/マモル・マヌー(Vo.)/ミッキー吉野(Key.,Vo.)/樋口晶之(D))
◆Mickie Yoshino Official Web Site>
≪著者略歴≫
市川清師(いちかわ・きよし):『MUSIC STEADY』元編集長。日本のロック・ポップスに30年以上関わる。同編集長を退任後は、音楽のみならず、社会、政治、芸能、風俗、グラビアなど、幅広く活躍。共著、編集に音楽系では『日本ロック大系』(白夜書房)、『エンゼル・ウィズ・スカーフェイス 森山達也 from THE MODS』(JICC)、『MOSTLY MOTOHARU』(ストレンジデイズ)、『風のようにうたが流れていた 小田和正私的音楽史』(宝島社)、『佐野元春 SOUND&VISION 1980-2010』(ユーキャン)など。近年、ブログ「Let's Go Steady――Jポップス黄金時代 !」で、『MUSIC STEADY』を再現している。
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