2015年10月22日

本日、10月22日はゴダイゴのタケカワユキヒデの63回目の誕生日

執筆者:市川清師

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林家ペーではないが、本日、10月22日はゴダイゴのタケカワユキヒデの63回目の誕生日。1952年10月22日、埼玉県浦和市(現さいたま市浦和区)生まれ、御年63歳である。父はベートーヴェン研究で知られる音楽評論家・武川寛海、母は曽祖父が国産バイオリンメーカー鈴木バイオリン創業者の鈴木政吉という音楽一家。「家具調度類と同じぐらい自然に音楽があった」とは、当時のタケカワの名言だが、恵まれた環境で、音楽を聞いて育つ。そんな彼が影響を受けたのがビートルズである。タケカワはビートルズと同じように英語で作詞・作曲する。当時、ロックは英語で歌うか、日本語で歌うか――という論争もあったが、彼はそんなところとは無縁に英語のオリジナルを歌っていた。


タケカワのデモテープが後にゴダイゴのプロデューサーになるジョニー野村に渡り、彼のもと、プロとしてデビューするため、レコーディングに入る。しかし、作業は煮詰まっていた。そんなところにザ・ゴールデン・カップス解散後、渡米してバークリー音楽大学で学んだミッキー吉野が帰国。ジョニーによって、引きあわされる。先日、上梓されたミッキー吉野の自伝『ミッキー吉野の人生(たび)の友だち』(シンコーミュージックエンタテイメント)にはタケカワとの出会いが綴られている。1974年のことだ。


「やたらでかいことや業界の話ばかりボクとジョニーが言い合ってるから、この人たちはいったい何を話しているんだろうと(笑)」


アメリカで音楽業界の現状を知り、フォーク全盛という日本の音楽状況に疑問を持ち、ジョニーとミッキーは口角泡飛ばし、怪気炎を上げていたのだ。タケカワはすごいと感心しつつも呆れていたという。


1975年1 月、タケカワはアルバム『走り去るロマン/Passing Pictures』でデビュー。全曲、英語で歌われる、当時としては奇妙にとられた同作は新世代のアーティストが作る新しい音楽と注目を浴びるも一部で評価されるのみで、セールスは芳しくはなかった。翌76年、タケカワのセカンド・アルバム制作中にタケカワとミッキー率いるミッキー吉野グループが合体し、ゴダイゴが結成され、同作はゴダイゴのデビュー・アルバム『GODIEGO (新創世紀)』(1976年7月)となる。78年にはテレビドラマ『西遊記』のエンディング・テーマ「ガンダーラ」(シングルとしては初めて日本語で歌っている。同曲以前には『キタキツネ物語』で日本語詞を歌っている。もっと前だと、「レッド・シャポー(RED CHAPEAU)」で“赤いシャポーの味の素”と最後に歌っている)、オープニング・テーマ「モンキー・マジック」が大ヒットして国民的バンドになる……と、延々とその歴史を追ったら、字数がいくらあっても足りない。


ゴダイゴは1999年に3ヶ月限定の再結成をしたが、2006年には恒久的活動を宣言して、タケカワ、ミッキー、スティーブ・フォックス、浅野孝已、トミー・スナイダーという全盛期のメンバーで、ゴダイゴを新結成。「モンキー・マジック」を「モンキー・マジック2006」としてセルフ・カバーしている。以後、精力的、意欲的に音楽活動を続けている。ヒット曲(勿論、ヒット曲多数あり!)を披露するだけの同窓会的なコンサートではなく、和楽器奏者やゴスペル合唱団などとコラボレーションした実験的なコンサートも開催。懐メロバンドとは一線を画す。


来年2016年はゴダイゴとしてデビュー40周年になる。そのためのプロジェクトが既に進行中だ。スティーブ・フォックス脱退後に参加した吉澤洋治も新生ゴダイゴにメンバーとして新たに加わる。“5ダイゴから6ダイゴへ”などの言葉が新聞やネットを飾った。


そして、本年2015年10月には6人組ゴダイゴの新曲「きみはミラクル」をリリース。同曲は作詞・奈良橋陽子(英語詞)・山川啓介(日本語詞)、作曲・タケカワユキヒデ、編曲・ミッキー吉野。1979年に映画『銀河鉄道999』の主題歌として大ヒットした「銀河鉄道999」と同じラインナップ。同曲は2006年にEXILEもカバーしている。ちなみにHiroはミッキーの中学時代の後輩になるそうだ。また、かの『あまちゃん』では、北三陸鉄道の運行再開のシーンにブラスアレンジした「銀河鉄道999」が流れている。


と、話が脱線(!?)したが、「きみはミラクル!」はNHKの『みんなのうた』で放送されている。老若男女に愛されるゴダイゴらしい可愛い楽曲だが、ゴダイゴの歌が『みんなのうた』に登場するのは、1979年の「ビューティフル・ネーム」(同曲は先日、EXILE・USA率いるDANCE EARTH PARTYがカバー)以来、36年ぶりのこと。


かくも多くの人達に愛され、かつ、EXILEを始め、槇原敬之、小山田圭吾、BRAHMAN、MONKEYMAJIKなど、数多くのアーティストが影響を公言し、中にはカバーするものもいながら音楽評論家界隈では過小評価に甘んじ、無視されがちである。日本のロックやポップスの歴史を語る時、その偉業に比して相応しくないくらい、わずか数行で終わることが多い。40周年という節目の年にゴダイゴを再評価すべきだろう。


11月1日には東京・中野サンプラザでワンマンコンサートもある。新生ゴダイゴ(ロクダイゴ!)を堪能していただき、40周年の“企みや仕掛け”を楽しみにしてもらいたい。

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