2018年11月11日

[recommend]77歳のザ・ナンバーワンDJ。『小林克也・祝喜寿 ~ベストヒットUSA・DJナイト~』

執筆者:横山シンスケ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

今でも『ベストヒットUSA』のオープニング曲“Don't Worry Baby”が流れると、

僕ら世代の洋楽ファンの頭の中には自然と小林克也の「ベストヒットUSA~!」という素敵な声が流れてきて、すぐにあの頃にタイムスリップしてしまう。

『ベストヒットUSA』は僕らの洋楽の教科書だった。

番組が始まったのは1981年なので、何ともう37年も前になる。CDもまだ存在しない、洋楽のメディアはレコードとラジオと音楽雑誌くらいで、テレビは年に数回だけNHKの洋楽番組があるくらいで…、なんだか自分でもまるで石器時代の事を書いてるような気分になってきたが、要するに僕らは“動く洋楽アーティスト”をまだそんなに見た事がないような世代だった。

そんな時代にラジオDJであった小林克也が司会を務める『ベストヒットUSA』は、当時海外で流行り始めた「ミュージックビデオ」を紹介するチャート番組(何と本土アメリカでもまだそういう番組はなかったそうだ)として突如始まった。

今までレコードで聴いたり写真でしか見た事のない海外アーティスト達や、まだ見た事も聴いた事もない新しいアーティスト達が歌ったり踊ったりする映像が、小林克也の流暢でカッコいい英語でガンガン紹介されるその番組に、僕らは石器時代からいきなり未来の世界にタイムスリップしたような衝撃を受けた。

それはまさに音楽メディアの革命だった。80年代に日本で洋楽ブームが爆発し、今もその頃が「洋楽の一番いい時代だった」と語る人が多いのは、洋楽アーティストをミュージックビデオと共に紹介し続け、時代を牽引したこの番組と、その象徴である小林克也という最高のナビゲーターの存在が大きかったと思う。

僕は小林克也の今も元気な姿とあの素敵な声を聴ける、現在も続く驚異的な人気番組『ベストヒットUSA』をずっと見続けている。

開始から37年経った現在も、77歳になった小林克也が司会を続けているという事がこの番組の一番凄い所であるが、僕がベストヒットを見続けている理由は、最近の音楽番組にありがちな懐メロ番組にはならずに、今も最新チャートと、最新のミュージックビデオをきちんと紹介し続けている番組だからだ。

しかも小林克也は昔と変わらず、最新の音楽に対して、自分の感想や思いを伝えながら進めている。年配の司会者によくある、台本をそのまま読んでるだけの感じが一切なく、今も現役のDJとして、一人のリスナーとして、自分の言葉で最新の音楽を語っている。自分が77歳になった時を想像してみれば、それがいかに凄い事なのか分かるだろう。ベストヒットが今も人気番組として続いている理由は、きっとそこにあるのだ。

そんな『ベストヒットUSA』が、喜寿(77歳)を迎えた小林克也を祝し、何と37年目にして番組初となる公式イベントを開催するという。

内容は番組の大ファンだという石野卓球、DJ KAORI、TOWA TEI、屋敷豪太という超豪華なメンバーが、80年代楽曲を中心にDJを繰り広げるスペシャルなパーティーだそうだ。僕も好きなアーティストばかりで、また世代的にも近しいメンバーなので、この人はあの曲を回すだろうなとか、この人があの曲を回すと超盛り上がるだろうな、などとプレイリストを妄想するだけでもワクワクしてくる。

今でも僕らに音楽の楽しさと素晴らしさを教えてくれるザ・ナンバーワンDJ、小林克也とみんなで、80年代にタイムスリップしたような、きっと素敵な夜になるだろうな。

ベストヒットUSA presents 『小林克也・祝喜寿 ~ベストヒットUSA・DJナイト~』

2018年12月1日(土) 恵比寿ザ・ガーデンホール

出演:小林克也


<DJ> 石野卓球 / DJ KAORI / TOWA TEI / 屋敷豪太 ※50音順


1981年のテレビ朝日での放送がスタートし、現在ではBS朝日の長寿番組としてお馴染みの「ベストヒットUSA」がお届けする初のオフィシャル・イベント!

今年、喜寿を迎えた小林克也を祝し、番組の大ファンを名乗る豪華アーティストたちが集結!

80年代洋楽を中心に、一夜限りのスペシャルDJパーティを開催します!

小林克也自らも登場し、番組の名物コーナー「スター・オブ・ザ・ウィーク」を、生でお届け!音楽ファン必見のイベントです。

※本公演は出演者の演奏によるLIVEはございません。

※都合により出演者が変更になる場合がございます。予め御了承ください。

ベストヒットUSA BS朝日番組サイト> 


≪著者略歴≫

横山シンスケ(よこやま・しんすけ): 渋谷のイベントハウス「東京カルチャーカルチャー」店長・チーフプロデューサー。その前10年くらい新宿ロフトプラスワンのプロデューサーや店長。ライター、司会、外部企画も受けてます。『ベストヒットUSA』で初めて見たボーイ・ジョージやラン・ディーエムシーのラップや、ジョン・ライドンの強烈なインパクトは今も脳裏に焼き付いてます。

横山シンスケのライブオアダイ>

  • コロムビア・ガールズ伝説
  • ダイナマイトポップス
  • 読者の投稿コラム大募集!

関連記事

  • ツイート

Pagetop ↑

コラム一覧

一覧

音楽ジャンル

カテゴリー

執筆者一覧

一覧

SNS