2015年12月04日
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2015年12月04日
「星流学園一年B組 風間唯。またの名を三代目スケバン刑事・麻宮サキ! 人の世に邪悪をなす闇の住人ども、許さんかいね!」
……の「名乗り」も懐かしい、80年代に東映が製作、フジテレビで放映されたテレビドラマ『スケバン刑事』シリーズ。和田慎二の漫画『スケバン刑事』を原作としつつも、大胆な独自のアレンジが次々と加えられ、さながら東映特撮作品のようなハードな画面づくりが話題を呼んでいた。また同時に、時のトップアイドルが主演・助演で続々と出演。主題歌・挿入歌のタイアップ攻勢により、爛熟期を迎えていた80年代後半のアイドル文化にも大きな影響を与えた、忘れてはならない音楽ムーブメントの一つでもあった。
火付け役となった斉藤由貴主演の第1作『スケバン刑事』(1985年4~10月)、南野陽子主演の第2作『スケバン刑事II 少女鉄仮面伝説』(1985年11~1986年10月)を引き継ぐ形で開始された第3シリーズが、『スケバン刑事III 少女忍法帖伝奇』(1986年10月~1987年10月)だ。「忍者」という、いささか突拍子もないモチーフが加えられた、最もオリジナル要素の強い作品だが、最高視聴率は3シリーズ中トップの21.3%をマーク。後に劇場版まで制作されるという人気を得ている。冒頭の啖呵は、浅香唯が演じる主人公:三代目麻宮サキこと風間唯による決めゼリフだ。今日、12月4日は、浅香唯の誕生日である。
この『スケバン刑事III』の放映から30周年を迎えたということで、今年はそれを記念した様々なアニバーサリー企画が展開されている。中でも、劇中で三姉妹役を演じた浅香唯・大西結花・中村由真が揃う『唯・結花・由真 三姉妹コンサート』(7月19日・20日/東京:ヤクルトホール)は、現在、ロサンゼルス在住である中村由真も駆けつける滅多にない機会ということで、当初2公演の予定が、チケット即日完売により3つ目の追加公演が決定されるほどの注目を集めた。
アイドルである浅香唯・大西結花・中村由真が演じる「三姉妹」を主軸に据えた『スケバン刑事III』は、当然、前2作に比して主題歌・挿入歌の数が多く、約1年間の放映期間中に11曲もの関連曲がリリースされている。初代主題歌(第1~8話使用)は、意外にも三姉妹ではなく、前半に機関のエージェント役で出演していたおニャン子クラブの福永恵規が歌う「ハートのIgnition」。以降は浅香唯による「STAR」(第9~21話使用)、「瞳にSTORM」(スペシャル・第22~31話使用)、「虹のDreamer」(第32~37話)が続く。そして挿入歌には、中村由真「ジレンマ」「シビアー」「パニック〜I'm in Panic〜」、大西結花「シャドウハンター」「チャンスは一度だけ」「哀しみのシャングリラ」と、それぞれ3曲ずつが採用されている。そして最終主題歌(第38~42話使用)には、唯・結花・由真の3人が、「風間三姉妹」名義で歌う「Remember」が登場。浅香唯=マイカルハミングバード、大西結花=ポリスター、中村由真=フォーライフと、3人の所属レコード会社がバラバラという複雑な裏事情があったのだが、その垣根を乗り越えて、ついに三姉妹全員で一つの歌に想いを込めることができたわけである(「Remember」は、マイカルハミングバードからの発売)。
これらの楽曲は件の『唯・結花・由真 三姉妹コンサート』でももちろん披露され、また、6月17日には、主題歌・挿入歌が収録されたCD「スケバン刑事III「風間三姉妹」ザ・ベスト -Re Member-」(ワーナーミュージック・ジャパン)も発売されている(福永恵規「ハートのIgnition」は未収録)。作家陣には、有川正沙子、松井五郎、湯川れい子、タケカワユキヒデ、鷺巣詩郎、井上大輔、来生たかお、小田裕一郎らが集った名曲揃い。30周年を機に、今一度、風間三姉妹の足跡を振り返ってみてはいかがだろうか。
また、『スケバン刑事』シリーズといえば、元スペクトラムの新田一郎による、あのカッコいい劇伴音楽の話はどうした!? ……と詰め寄られそうだが、それはまた別の機会にでも。
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