2016年10月29日
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2016年10月29日
ハルメンズって一体なんだ? 一言でいえば「ヘンな奴ら」だ。「昆虫みたい」ともいわれた。プロデューサーの鈴木慶一からは「コミュニケーション不能」といわれた。
メンバーは佐伯健三(V)泉水敏郎(D)上野耕路(K)比賀江隆男(G)石原智広(B)。
ハルメンズの属したニューウェイヴ、それは1980年代に始まった「日本の文化」である。もちろん、英米にもニューウェイヴがあったが、日本では勃興しつつあった「オタク」や「病気」ブームとも連動し、こうしたハルメンズのような日本独自のヴィンテージなニューウェイヴ文化を生んだのだ。
合い言葉は「ほとんどビョーキ」「お尻だって洗って欲しい」「トンガリキッズ」とかである。(一部時期前後してます)
80年代初頭は、銀行のキャッシュカードが普及したり、留守番電話(カセットだった・・・)が登場したり、ヴィデオが出てきたり今のデジタル時代にいたる、電気の技術革命が起こった時代。ミライが見えたような見えないような。文明が変質し脳髄がユラぐ時代に、子供を中心に文化は変貌を遂げていった。
1st『ハルメンズの近代体操』(80-10-21発売)には、後にタイトーがゲーム「電車でGO!」で名前を借用する「電車でGO」や「昆虫群」「レーダーマン」といった頭がシュワシュワするような曲を作り出した。
しかし、そうした「ヘン」「ミュータント」「イカレタ子供」感が、当時リアルタイムで理解されたわけではなかった。
2nd『ハルメンズの20世紀』(81-7-21発売)では戸川純と野宮真貴という、その後の日本のポップス界を背負うヘンな、いや失礼、個性的な女子達がボーカルデビューした。風向きは少しだが、病気な方に向いてきた。さらにメンバーの上野耕路が戸川純と組んだゲルニカがヒットした。
その後、日本はご存じの通り、ヘンタイ良い子やオタクの国になっていき、ジワジワとハルメンズが知られていくようになったのである。それはストレートなテクノ・ニューウェイヴブームとも「ファジイなお子様感」において大きくズレていくことになった。
今回、『ハルメンズの20世紀』発売35周年を記念して、ハルメンズXの『35世紀』がビクターエンターテインメントより16年9月21日に発売された。鈴木慶一(ムーンライダーズ)、野宮真貴、古川未鈴と夢眠ねむ(でんぱ組.inc)、アーバンギャルド、直枝政広(カーネーション)といったニューウェイヴの過去と今をつなぐゲストが出演する。
またジャケットのイラストを、ハルメンズを生んだオリジナル首領的存在、太田螢一(ex. ゲルニカ)が描き下ろしている。
イラストを見ればわかる通り、太田は「ヘン」「かわキモい」「トンガリ」といったニューウェイヴ要素をすべて集約した画風。その作風は、フランスでも大きな評価を受けている。
たった2年の活動期間で、1982年12月29日にコンサート「ハルメンズの伝説」で解散したハルメンズには、鈴木慶一を交えて作った幻のスタジオ録音「森の人々」「隣の印度人」があり、その他合計11曲もの貴重録音を、ベスト曲と共に「ハルメンズ・デラックス&11ヒストリー」というベスト盤にまとめた。戸川純の歌唱で有名な2曲のオリジナルバージョンだ。
さらにハルメンズの前身バンド・少年ホームランズの貴重音源を収めた作品「満塁ホームランBOX」がリリース。こちらは、幻の1stシングルを含め、ハルメンズを生んだ背景の全てがブチ込まれている。
70年代の千葉はマジカルだった。そこには京都からのヒッピー流れが入り込み、また高円寺とはパンクと地下水脈で繋がっていたのである。そんな中でハルメンズが醸成されていったのだ。そんな魔法に触れて欲しい。
1980_05_25 渋谷 ナイロン100%
そして、そうしたハルメンズの到達点がコンサート『ハルメンズXの伝説』だ。ヴィンテージなニューウェイヴの大物達が一堂に会し、あのヒット曲を歌う!見逃すことなかれ!
80年代というのは、つくづく、不思議な時代だ。日本はそこを曲がり、現在のCOOL JAPANオタク大国となった。今その凱歌となるマジカルなニューウェイヴ男子達の革命歌の数々、今こそ聴いて欲しい。
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ハルメンズXライブ2016ライブ&ツアー
『ハルメンズXの伝説』2016年 11月 16日(水)
ハルメンズX / Boogie the マッハモータース / ジョリッツ /
【ゲスト】鈴木慶一(ムーンライダーズ)/直枝政広 (カーネーション) / 巻上公一(ヒカシュー)/イリア(ジューシィ・フルーツ) /
小川美潮(チャクラ) / 松尾清憲&一色進(シネマ) / 久保田慎吾(8 1/2)リアル3 区
開場/開演18:00 開場/ 19:00 開演
料 金前売:\4,500 /当日:\5,000 (税込/整理番号付/ドリンク別)
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