2016年01月07日
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2016年01月07日
水木一郎は、アニソン界に激昂シャウトをもたらした
アニソン界のロバート・プラントである。
『鉄腕アトム』に始まる60年代の第一次アニメブームのアニメソングは、マーチ調のアトム主題歌をはじめ『巨人の星』の軍歌調(やはり一種のマーチ)に至るとはいうものの、『狼少年ケン』のようなエスニック、『ジャングル大帝』のような壮大なバラードなど、実に多様な曲調だったが、70年代に超人、戦隊、ロボット物が全盛になると、マーチ&軍歌調のテイストを継いだアップテンポのブラスロック調になってくる。その絶妙なタイミングに水木一郎が登場した。実家がレコード店を経営していたため、幼少期からジャズなどを聴いていた水木のリズム感はそうしたバッキングにうってつけだったといえよう。
1968年に歌謡歌手として「君にささげる僕の歌」でレコードデビューするものの、売れずに雌伏。1971年、日本コロムビア・木村ディレクターの勧めで歌った『原始少年リュウ』のオープニングテーマ「原始少年リュウが行く」がアニソン界にとっても革命的な一打となった。60年代的ハリウッド調の壮大なイントロが歌謡メロディに転ずると、水木のおなじみの翳りのある訴求力の強いボーカルがすでに原型を作っている。
すぐに注文が殺到したとみえ72年には『超人バロム・1』『変身忍者嵐』『アストロガンガー』と続くが、なんといっても転機となるのは『マジンガーZ』である。シェイキーなご機嫌なリズムにのりイントロから「マジンゴー」とシャウトが入りサビ決めでは「マジンガ~~~ゼット!」と裏返った声による雄叫びが入る。その瞬間に、水木のアニソン歌手としての一生と多数のアニオタの人生が決定したのではないだろうか? 水木はこの曲で、アニソンをツェッペリンのようなハードなボーカルでカタルシスを生む媒体に変えたのである。
73年の『バビル2世』『ロボット刑事』をはさみ、74年の『仮面ライダーX』ではダメ押しのように「エックス」と、さらに激しく裏返るシャウトを完成させている。
安定した中低域の声と正確なビブラートの押しの強さは、主人公の力強さを表現して余りある。同じくアニソンの巨匠であるささきいさお『宇宙戦艦ヤマト』の柔らかい持ち味と比較すれば、そのハードネスは明らかであろう。
続く74年『グレートマジンガー』『がんばれ!!ロボコン』、75年『仮面ライダーストロンガー』『宇宙の騎士テッカマン』『鋼鉄ジーグ』『アクマイザー3』といった作品群で不動の地位を確立。この時代、それだけ多くの超人戦隊ロボット物が作られたことも驚きだが。
水木のハードネスを表したイベントは、1998年8月30~31日に河口湖ステラシアターにおいて行われた「24時間1000曲ライブ」だ。生放送で後半も変わらずに響かせ続けたその声には誰もが脱帽した。4時間をも歌い続けたロバート・プラントとはまた違う日本のタフネスを象徴する事件である。
筆者は水木と飲む機会があったが、全くパブリックイメージと同様のサービス精神あふれた「兄貴ぶり」には感服させられた。
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