2016年08月07日
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2016年08月07日
ドラマや映画だけでなく、バラエティ番組などで、軽妙洒脱なトークをこなす俳優として、いまや、すっかりお馴染みの陣内孝則。しかし、その実態はまぎれもないロッカーである。ザ・ロッカーズというバンドのヴォーカリストとして、80年代に彗星の如く登場し、多くのロック・ファンを虜にした。
ザ・ロッカーズは1979年、福岡のロック・コンテスト「L-MOTION」で、グランプリを獲得、1980年9月にアルバム『WHO TH eROCKERS』でデビュー。オリジナル・メンバーは陣内孝則(Vo)、谷信雄(G)、鶴川仁美(G)、穴井仁吉(B)、船越祥一(Dr)という5人である。1982年には石井聰互監督の映画『爆裂都市 BURST CITY』に陣内と鶴川、同郷で同期のルースターズの大江慎也、池畑潤二らとともに映画の中の架空のバンド「バトル・ロッカーズ」のメンバーとして出演。同年6月28日に青山タワーホールで行われたライブを最後に解散(同ライブを前に81年12月に鶴川と穴井は脱退。82年1月に橋本潤が加入している)。わずか2年の活動期間で、ファースト・アルバム『WHO TH eROCKERS』、セカンド・アルバム『COME ON』、 サード・アルバム『SHAKIN’』、カバー・アルバム『HANKY PANKY〜POP COME BACK 』という4枚のアルバムを連続リリース、全国のライブハウスやコンサート、イベントに出演。まるで生き急ぐかのように短期集中、疾風怒濤の活動をする。解散後、陣内は本格的に役者へと転じ、その活躍はご存知の通り。
ザ・ロッカーズの活動はあっけないほど、短く、日本のロックの歴史に瞬く花火を打ち上げ、刹那に消えていった。活動期間は短いものの、いまだに彼らを敬愛するものも多く、現在、活躍するアーティストで、その影響を語るものも少なくない。彼らにまつわる伝説や逸話も枚挙にいとまないのだ。
2003年には、陣内がかつて出版した自伝を元に自らが監督し、1996年にバイク事故により死去した谷との友情物語、ザ・ロッカーズの青春時代を描いた自伝的映画『ROCKERS』が制作されている。
1982年6月の“解散ライブ”後、ザ・ロッカーズは時代の要請を受け、何度か、再結成しているが、くしくも2016年はザ・ロッカーズ結成40周年、谷信雄死去から20年、穴井に次いでベースを担当した橋本潤の3回忌になる。偶然か、必然か。そのザ・ロッカーズが帰ってきたのだ。この7月、8月のCD再発、DVD発売を期にコンサート、イベント出演と、俄かに彼らの周辺が騒がしくなってきた。
7月18日(月・祝)にトーク・イベントをキックオフ・パーティとして開催。実際はその前々日、同月16日(土)、明治神宮外苑野外特設ステージ(明治神宮軟式野球場)で行われたドリカムの野外イベント「うれしたのし大好き2016~真夏のドリカムフェス」にサプライズ出演している。トーク・イベントには陣内(Vo)を始め、船越(Dr)、穴井(B)、角英明(G)、澄田健(G)という現在のザ・ロッカーズのメンバーが出演。伝説や逸話の蔵出しのごとく、日ごろのバラエティ経験を活かし、オフレコ寸前の貴重エピソードを陣内がしゃべりまくり、終始、笑いと笑顔にあふれるものとなった。
そして、7月20日にはファースト・アルバム『WHO THE eROCKERS』 (オリジナル・リリース:1980年9月21日)、セカンド・アルバム『COME ON』 (オリジナル・リリース:1981年3月21日)、サード・アルバム『SHAKIN’』 (オリジナル・リリース:1981年9月21日)がCD再発された。
ファーストにはデビュー直前に日比谷野外音楽堂で開催された「REAL ROCK SEE SAW SCENE VOL.1」の未発売ライブ音源、そしてセカンド、サードにはアルバム未収録のシングル音源、それぞれボーナス・トラックとして収録される。さらにシングル盤のレプリカ・ジャケットなども封入。
今回は最新マスタリング、疾走感溢れる勢いのある音がそのまま、CDに再現される。以前のCD再発の際には感じられなかった音像をくっきりと捉え、エッジが立ち、ヘビィネスが増す。マスタリング技術の進歩も伺わせる。既に各地のレコードショップでは売り切れが続出しているという。
「めんたいロック」と、一括りにされがちだが、モッズやルースターズがモノトーンで、ストイックだったのに対して、ザ・ロッカーズはカラフルで、ユーモラス。軽さや遊びもある。
先のトーク・イベントではファースト・アルバムに関して、興味深いエピソードを披露している。同作が成田のお寺でレコーディングされたことは有名だが、ニューヨーク・ドールズが教会で録音している、ならば日本はお寺だということかららしく、そんな思い切りの良さや大胆な翻案も彼らならではないだろうか。
8月17日には、1991年3月29日、新宿・日清パワーステーション公演を収録した“第2期ザ・ロッカーズ”(メンバーは陣内、谷、船越、橋本潤、角英明)のライブ盤『LIP SERVICE』(オリジナル・リリース:1991年の今日、8月7日)が、オリジナル・リリース以来、初となる再発売がされる。
また、同公演の模様を撮影したDVD『13×7』も貴重映像・貴重音源を収録し、リリース。再結成の契機となった1989年7月15日、日比谷野外音楽堂で行われたイベント「AGE OF THUNDER ROAD SPECIAL“野音の地響き”」(同イベントには“ORIGINAL5”で出演)の模様も収録している。1991年にVHSリリースされて以来、初のDVD化となる。同DVDは、ボーナス・トラックとして、本編未収録の演奏も収録される貴重な作品だ。
そして、待望の復活ライブだが、9月21日(水)、渋谷WWWXで、ザ・ロッカーズを敬愛する宮藤官九郎率いるグループ魂をゲストに迎えて東京公演、9月25日(日)、福岡イムズホールで、地元・福岡でのワンマン公演が行われる。
さらに10月1日、東京・中野サンプラザで開催される「SHINJUKU LOFT 40TH ANNIVERSARY ROCK OF AGES 2016~big beat together with spirits, stay alive~」へ菊 ft.鮎川誠 シーナ&ロケッツ、 ROCK'N'ROLL GYPSIES 、JUDE(Vo.G. 浅井健一 / B.渡辺圭一 / Dr.池畑潤二)とともに出演。
ザ・ロッカーズの“帰還”の契機は2014年4月に橋本潤が病気により死去し、同年10月23日、渋谷TSUTAYA O-EASTで、橋本の追悼トリビュート・ライブ「橋本潤 生誕55周年祭~Tribute to HASHIMOTO JUN~」が行われ、1991年の再結成時のメンバーが再結集したことである。その後も2015年9月、福岡県糸島市・芥屋海水浴場で 開催された音楽フェスティバル「サンセットライブ2015」(9月4日~6日の3日間開催。ザ・ロッカーズは5日に出演)、同月20日、福岡県北九州市・高塔山野外音楽堂で行われた「高塔山ジャム 2015 "T-Jam 2015"」へ出演。12月31日には大晦日恒例の「NEW YEARS WORLD ROCK FESTIVAL」に参加するなど、活動を継続している。
今回の再結成はそれまでの再結成とは違い、本格的に腰を据えたものなりそうだ。特に活動継続宣言などはされていないが、谷、橋本という2人の死を乗り越え、彼らの遺志を引き継ぎつつ、憐憫や感傷に浸らず、サバイバルしたものが、ザ・ロッカーズの存在意義を敢えていま、世に問うかのようでもあるのだ。
ザ・ロッカーズのライブのフライヤーには“REAL IS BACK”とある。同窓会などという、生易しいものではない。触れれば火傷するほど、熱いのだ。日本のロックの伝説を再確認するだけでなく、新たな伝説の誕生を目撃する。その機会を見逃す手はない。生の彼らに触れるべきだ。勿論、火傷は覚悟あれ。
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