2016年01月15日

[1月13・14・15日は、ラン、ミキの誕生日を祝ってキャンディーズ祭り!]1956年の1月15日はキャンディーズのミキちゃんこと、藤村美樹の誕生日。おめでとうございます!

執筆者:寺田正典

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1956年の今日、1月15日はキャンディーズのミキちゃんこと、藤村美樹の誕生日。まずはおめでとうございます!


今ではよく知られるようになったが、キャンディーズの音楽性の核になっていたのはこのミキの音楽的感性と安定感ある歌唱力だった。そのことをぼくが本当の意味で実感させられたのは恥ずかしながらごく最近のこと。編集長を任されていた雑誌『レコード・コレクターズ』のキャンディーズ特集号(2011年7月号)の準備段階で、70年代当時にはテレビで観て応援しているだけの存在だったキャンディーズのアルバムをまとめて聴いていった際のこと。とりわけ大きなショックを受けたのは『キャンディーズ10000人カーニバル』の1曲目「あなたに夢中」だった。


このライヴ・アルバムのミックスはちょっと変わっていて、センターでこの曲を歌うスーが真ん中、ランの声が左チャンネル、そしてミキの声が右チャンネルと、実際のステージ上の立ち位置通りに3人の声が定位するように工夫されている。で、そのチャンネル構成で「あなたに夢中」を聴いた時に、ミキのパートの高度さ、それにも関わらず(だからこそ?)そこだけ取り出して聴くと地味に聞こえてしまうパートを安定感たっぷりに歌いこなしているミキの存在感に圧倒されてしまったのだった。そして続く「危い土曜日」では低音を歌っていたかと思うと高音のパートに一気に飛んで伸びやかに彩りを加えている。


そんなことに気づいてからは、キャンディーズの歌の秘密の一端を知ってしまったような気さえして、彼女たちの歌を聴くのがさらに楽しく刺激的なことに思えてきたのだ。


ミキの存在がキャンディーズの音楽的意味でのポイントだったという話の代表的なものは、作曲家で初期の彼女たちの歌のレッスンも担当した穂口雄右による「ミキは、しっかりと音楽教育に裏打ちされた読譜力と絶対音感で、音楽的要になってくれました」(「現実となったビジョン」)というものだろう。父親は声楽家、母親はピアノの先生だったという家庭環境の中で身につけたのであろう音楽的な素養は本物だったのだ。


ただ、彼女たちがデビュー前に学んだ渡辺音楽学院の先生による、こういう気になる証言もある。 「ミキちゃんは環境的に非常に音楽の中にいて、音楽的素養みたいなのは非常に持ち合わせてたお嬢ちゃんでしたけれども何しろ声が悪くってもう…(苦笑)。悪声の部類で…」(1978年4月4日深夜の「オールナイトニッポン」より)。恐らくこの証言はミキの声のハスキーな部分を指してのものではないかと思う。確かに彼女の声のこの部分は、アイドル・ソング向きではなかったかもしれないが、3人が一緒に、特にユニゾンで歌うと何とも艶やかで明るい、キャンディーズにしか求められない「声」になっていたから不思議だ。


それに、少しハスキーな声を持つミキがメインで歌うから生まれた「あなたのイエスタデイ」「オレンジの海」「ふたりのラヴ・ソング」などのアダルトな落ち着きがある名曲群が、実はヒット・シングルのB面(それぞれ「やさしい悪魔」「暑中お見舞い申し上げます」「アン・ドゥ・トロワ」)に多く収録されてきたことが、ファンにはよく知られている。特に「ふたりのラヴ・ソング」はカーペンターズの曲のカヴァーだが、ミキが歌うことによってゾンビーズの1968年の名曲「ふたりのシーズン」の導入部のあのアンニュイなフィーリングにつながる深い味わいが生まれたのではないかと思っている。


写真提供:ソニー・ミュージックダイレクト

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