2016年03月19日
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2016年03月19日
1978年4月4日、後楽園球場でのキャンディーズ・ファイナル・カーニバルから38年。この3月18日(金)に、東京・赤坂BLITZにて、昨年11月に発売された同公演の完全収録DVD「キャンディーズ・メモリーズ」をスクリーンで鑑賞するイベント『ファイナル・カーニバル in 赤坂BLITZ!』が開催された。
DVDを購入した人だけが応募できるというこのイベント、わずか90分弱でチケットが完売したという。それだけ熱狂的なキャンディーズ・フリークたちの集いなのだが、今回、このイベントに潜入取材させていただいた。
開場前から運よくチケットを手にされた皆さんがずらりと並び、中には揃いのハッピに鉢巻をした人も。ステージ上にはファイナル・カーニバルの際に着用した衣装や、「その気にさせないで」のパンタロン衣装、「やさしい悪魔」のアン・ルイスデザイン衣装などが並び、撮影会が行われていた。冒頭のMCにはTBSの長峰由紀アナウンサーと、クリス松村さんが登場。ひとしきり盛り上げたあと、「哀愁のシンフォニー」での紙テープ投げリハーサル開始。紙テープの芯を抜いた後、テープの外側を持って投げるのか、内側を持って投げるのかで観客とクリスさんの薀蓄トークもあり、皆さん気分は既に38年前にタイム・スリップしている模様。そういえば70年代はアイドルの公演で紙テープは必須だった、などと思い返し、観ているこちらも盛り上がってくる。
実は筆者も38年前の4月4日、あの会場にいた。2階スタンド席の、ステージ側ギリギリの位置だったため、キャンディーズの3人は豆粒しか見えず、アリーナ手前にせり出したステージに出てこないと、その姿がはっきり見えなかった。巨大モニターもなかったあの時代、ステージの模様は通路脇に設置されていたブラウン管を眺めながらの鑑賞だったのだ。衣装や曲順も記憶が曖昧だったが、今回、300インチのスクリーンで観るとあらゆるディテールがはっきりとわかる。
当時と同じ熱狂を持ってキャンディーズを迎え入れるファンの熱量に、最初から圧倒されることしきり。手拍子やコールも当時のまま。いの一番に思い出したのが「恋のあやつり人形」や「あなたに夢中」「暑中お見舞い申し上げます」などの曲で何度も出てくる“チャッ、チャチャッ”という手拍子。あの頃はCメロでテンポが変わると必ずこのノリだった。
あらためて思ったのは、キャンディーズはライヴ・アーティストだということ。「内気なあいつ」や「ハート泥棒」など、地味目のナンバーもMMPの演奏で分厚く派手に変貌している。休憩を挟んでの後半戦は特にテンションが高く、ことに「わな」「その気にさせないで」「悲しきためいき」「危い土曜日」のステージ・パフォーマンスは圧巻の出来で、大画面で観ると目の前で3人が歌っているかのような迫力だ。3人のヴォーカルが後半になってもまったくブレないのが凄い。そして「哀愁のシンフォニー」ではおなじみの紙テープ乱舞。BLITZの客席からも、赤・青・黄の3色が乱れ飛び、まさにファイナル・カーニバルの再現。間奏で3人がファンに向かって深々とお辞義をする姿は感動的で、キャンディーズがファンに支えられてこの日を迎えたことが良くわかるシーンだ。BLITZの客席からも熱い拍手が響く。
そして何よりも4時間強のステージを支えたMMPの演奏力。随所で奏でるホーンの迫力は言わずもがな、筆者に当時の記憶を大きく蘇えらせてくれたのは、リーダー・チャッピー(渡辺茂樹)のクラビネットの音色だ。キャンディーズのライブはあの煌びやかな響きにある。ことに「春一番」のイントロで奏でられるその音色は、ステージがいよいよ終盤にさしかかったことを嫌でも感じさせる。
「ダンシング・ジャンピング・ラブ」も後楽園球場とBLITZがシンクロしてのコール&レスポンス大会。そして「あこがれ」を歌い終えたあとの3人の思い詰めた表情。38年が経過しても未だ感動的な3人の挨拶。ラストの「つばさ」を歌う3人の頬に流れる涙。すべてを歌い終わり、セリに乗ってステージから去ってゆく3人が、最後まで手を振り続ける様子。伝説のステージが38年の時を経ても、未だ色褪せず人々に訴えかけてくる。大人になったあの頃の若者たちは、今も変わらずキャンディーズを支えているのだ。これだけ熱いアーティストとファンの幸福な関係を目の当たりにして、彼女たちが音楽シーンの中でも特別な存在であることを思い知らされたイベントであった。
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