2015年09月01日
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2015年09月01日
1973年9月1日に「あなたに夢中」でCBSソニー(当時)からデビューしたキャンディーズは、所属の渡辺プロダクションにとって傘下の東京音楽学院の生徒で構成されるスクール・メイツから誕生した初めてのアイドルといって言いだろう。それまで同社が70年代になって手掛けた女性歌手は小柳ルミ子が宝塚音楽学校を卒業後NHKの朝ドラに出演、天地真理は音大付属高からヤマハのヴォーカル・スクール出身、アグネス・チャンはすでに香港で活躍していたわけで、いわば外部で育成された即戦力を登用していたのである。
メンバーの3人はNHKの「歌のグランドショー」にレギュラー出演するなど事前露出も周到で、デビュー曲の「あなたに夢中」には上記3名の作品で充分な実績を持つ作詞;山上路夫、作曲;森田公一、編曲:竜崎孝路のトリオが起用されており、事務所としての力の入れようが伝わってくる。楽曲的にも頭サビ風にスタートするAメロでは3人のハーモニーを存分に聴かせるメロディーが展開され、中間部にあたるBメロでは後に定番となるファンの手拍子やレスポンスを予め想定したかのようなリズム構造を示すなど、アイドル・ポップスの黄金律とも言うべき構成要素を満載している。また間奏で聴かれるシンセサイザーのソロも当時としてはまだまだ斬新なサウンドと捉えられていた。
だが、彼女たちが本格的なブレイクを果たすのは約1年半後の75年春にリリースされた「年下の男の子」以降のことである。背景にはスーちゃんからランちゃんへのセンター交替やマネージャーの大里洋吉(後のアミューズ総帥)を軸としたプロモーション戦略などもあるとはいえ、やはり渡辺プロ所属のGSアウトキャストのメンバーだった新進作曲家の穂口雄右を大抜擢したことが大きい。すでに74年にアグネスの「ポケットいっぱいの秘密」をヒットさせていた穂口だが、いずれの曲もアルバムからのシングル化である点も注目される。作詞の千家和也にとっては麻丘めぐみ「私の彼は左きき」に続く“恋人紹介シリーズ”と言われており、その当時から「年下の~」的な構想は温められていたという。
オールドタイミーなジャズ・テイストを感じさせる曲調は、大先輩にあたるザ・ピーナッツが引退直前に大いに意識していたと思しきポインター・シスターズやベット・ミドラーの影響が世界を一巡してフィードバックされた感じだろうか?「私の彼は~」が4ビート調で作曲されたのは偶然だったとしても、こうしたノスタルジックな楽想はドナ・サマーやらノーランズあたりの作品にまで通底していくことになるのであなどれない。
その後もキャンディーズは穂口が作詞も担当した「春一番」や吉田拓郎作曲による「やさしい悪魔」などのヒットを放っていくが、当時の渡辺プロは拓郎を筆頭として小椋佳、荒井(松任谷)由実などニューミュージック系のソングライターを積極的に登用していた時期でもあった。そういう意味でもキャンディーズは77年の解散宣言以降の展開も含めて、“ナベプロ帝国”の大転換期を象徴する存在だったのかもしれない。
写真提供:ソニー・ミュージックダイレクト
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