2016年05月22日
スポンサーリンク
2016年05月22日
「昭和歌謡」というと、いわゆる懐メロ的な大衆に広く認知されたヒット曲を思い浮かべる人が多いだろう。その一方で、同時代に発表されながらも当時よりむしろ現代のファンに愛されている楽曲/レコードが存在する。とは言っても当時を体験していない世代のリスナーにとってはそれらを含む総称として現在“和モノ”と呼ばれているところの定義する範囲(年代/ジャンル)はあまりに広く、そのような認識は、アーティスト/楽曲といった一義的な情報に比べれば瑣末なものかもしれない。
しかし、そう意識して接していると、現代再評価されているレコードにはポピュラー・ミュージックが世界的にもめまぐるしく変化していた1960~70年代に、“CMソングを量産し、洋楽的センスを多分に持ち合わせた職業作家”によるものや、“流行をいち早く紹介する情報番組としての役割を担っていたTV番組絡みの楽曲”という傾向があると感じることがある。そのようなカッティング・エッジなセンス溢れる楽曲はレコード化の機会に恵まれることはあまりなく、当時音盤化されていてもセールス的に奮うものは少なく現代では中古レコード市場で高額なプレミアが付いているものも多い。
1965年(昭和40年)にスタートし、1990年まで放送された深夜番組『11PM』のテーマ曲は作曲家/ピアニストの三保敬太郎が作曲、猪俣猛オールスターズが演奏している。伊集加代子による「シャバダバ」スキャットであまりにも有名な1曲で和ジャズ・ファンからも人気が高い。安藤孝子のナレーションや「ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョウ」などのインストゥルメンタル・カヴァーを織り込んだアルバムとして1966年にレコード発売されているが、現在ではコレクターズ・アイテムとして高値で取引されている。同アルバムよりテーマ曲ほか計4曲を抜粋したアナログ45回転EP盤『ミュージック・フォー 11P.M. EP』が昨年リリースされた。
TVドラマ音楽~CM~アニメソングなど数多くの作品を残した小林亜星が手掛けたCMソングの一つ、レナウン「イエイエ」は朱里エイコが歌い1967年11月20日にシングル盤として発売された。楽曲的にはCMソングの王道ともいえるフレーズ反復ものではあるがビートの効いたアレンジと朱里エイコの歌唱が抜群にヒップな“ジャパニーズ・モッド・クラシック”と世界に誇りたくなるような雰囲気を持っている。こちらもTV CMは非常に有名なのに対してレコード自体を中古市場で見かけることはごく稀であるが、昨年にジャケット/内容も可能な限り当時のままの仕様でアナログ7inchシングルが再発された。ちなみに小林亜星はレナウンのCMソングとして他にも「ワンサカ娘」を手掛けており、こちらは弘田三枝子やシルヴィ・ヴァルタンなど多くの歌手が歌っていて、こちらの方が有名だろう。
朱里エイコ「イエ・イエ / 恋のアングル」(初回限定プレス・アナログ7inch)>購入>
桜井順といえば三木鶏郎主宰の「冗談工房」のスタッフを経て独立、小林亜星同様多くのCM音楽を手掛けている。「フジカラー・お正月を写そう」「石丸電気の歌」など人々の記憶に残るCMソングがあるが童謡、歌謡曲作品にも名曲があり熱心なファンに支持されている。中でもカルト的人気があるのが、野坂昭如に書いた「マリリン・モンロー・ノー・リターン」だろう。歌手・野坂昭如のレコード・デビューとなった同曲の他にも「黒の舟唄」「バージン・ブルース」など今でも歌い継がれているスタンダード・ナンバーによって知られている桜井/野坂コンビ楽曲であるが、それに負けずとも劣らない魅力を持つ桜井順歌謡曲作品がある。
万里れい子「サイケな街/KISS」(初回限定プレス・アナログ7inch) >購入>
また、現在はこれら職業作家別のコンピレーションCDなども数多く発売されている。ぜひ興味のある向きには併せて聴いてみることをお薦めしたい。
三木鶏郎日曜娯楽版大全 (デラックス・エディション) >購入>
47年前の今日、1971年(昭和46年)9月18日、その後の食文化を変えた画期的な新商品「カップヌードル」が、日清食品株式会社により発売開始された。1970年代前半に飛躍的進歩を遂げたインスタン...
1976年(昭和51年)の本日8月21日、森田公一とトップギャランのシングル「青春時代」がリリースされた。翌77年のオリコン年間チャートで第2位をマークするジャイアントヒットとなった「青春時代」...
本日3月19日は、リトル・ダイナマイト、朱里エイコの誕生日。生きていれば今日で70歳となる。72年、起死回生の思いで発売した「北国行きで」がオリコン6位を記録する大ヒット。デビューから10年目の...
ソウル・フラワー・ユニオンのフロントマン、中川敬のアコースティック・アルバムが10月4日にリリースされる。定期的な大都市ツアーや大規模ロックフェス出演など、ソウル・フラワー・ユニオンの充実した活...
1973年、日本のロックは(キャロルがちょっとでてきたとはいえ)国民的にはなかった。フォークは歌謡曲みたいだった。歌謡曲は「田舎の代名詞」であり、日本を覆う巨大なバリアーで知性の敵だった。その中...
昭和の時代を過ごした日本人なら誰もが知っている黄桜「かっぱの唄」をはじめ数多のCMソングを歌い、元祖“コマソン(=コマーシャルソング)の女王”の称号を得た楠トシエ。黒柳徹子らと並ぶ最初期からのテ...
ジェリー・ウォレスが濃い目に歌う「マンダム〜男の世界」にのって、カウボーイのチャールズ・ブロンソンが登場。荒野を行く彼が水辺にたどり着いてテンガロンハットで水をかぶり、そしてあごをなでながらつぶ...
戦後まもなく、NHKラジオ『日曜娯楽版』で一世を風靡し、“マスコミ界の風雲児”と呼ばれた三木鶏郎は、ユーモアに社会風刺を効かせた「冗談音楽」の開祖、またコマーシャルソングのパイオニアとして、作詞...
1967年(昭和42年)の本日7月4日、タカラ(現タカラトミー)が日本の玩具市場に一人のおしゃまな少女、いや少女人形を送り込んだ。その名は「リカちゃん」。来年でデビュー50周年を迎えるこの少女人...
本日、12月16日は、作曲家:山本直純の誕生日。この忘れがたい昭和の大作曲家が2002年に世を去ってから、もう既に13年の月日が過ぎたことになる。 text by 不破了三
江崎グリコのキャンペーンとして、平成11年(1999年)11月11日に「ポッキー&プリッツの日」が設定されたものだが、ここ数年のCM展開と、Twitter等のSNSでの盛り上がりでかなり多くの人...
2003年の今日8月30日は、米国の俳優、チャールズ・ブロンソンの命日(享年81歳)。ブロンソンといえば「う~ん、マンダム!」のCM。このCMから洋楽としては異例の大ヒットとなった「マンダム~男...
唱歌、歌謡曲、GS、フォーク、ニューミュージック、J-POPと移り変わっていく日本のポピュラーミュージックと常に連動してきた「CMソング」。「光る東芝の歌」や「日立の樹(この木なんの木)」のよう...
作曲家であると同時に俳優、タレント等、様々な顔を持つ小林亜星。1961年のレナウン「ワンサカ娘」以降、誰もが簡単に覚えられ、無意識に口ずさむことのできるメロディを紡ぎだす天才として、CMソングの...
昨日、7月28日は大滝詠一さんの誕生日でした。牧村憲一さんにミスター・サイダーとして登場する19731年の大滝詠一をお書きいただきました。
本日はいずみたくの命日。23年前、1992年に62歳で亡くなった。 いずみたくの代表作の一つ、「世界は二人のために」(歌: 佐良直美)が発表された昭和42年といえば、世はまさにサイケデリック革命...