2016年07月15日
スポンサーリンク
2016年07月15日
7月15日(1967年)はザ・スパイダースの「風が泣いている」がリリースされた日である。
フィリップス・レコードからリリースしたザ・スパイダースのオリジナル・シングルとしては7枚目の楽曲であり、この作品の前には4月20日に洋楽のヒット・カヴァー曲のカプリング・シングル「バラ・バラc/wダンス天国」を発売していた。
前年秋の「夕陽が泣いている」の特大ヒットは一躍ザ・スパイダースを新しいビート・グループとしての頂点に押し上げたが、この年には2月に注目のザ・タイガーズがデビューし、春にはブルー・コメッツが「ブルー・シャトー」を大ヒットさせ、いよいよ《グループ・サウンズ》時代の到来を予感させた。そんな最中に「夕陽が泣いている」で成功した当時、まだ珍しかったシンガー・ソングライターの浜口庫之助氏(ハマクラさん)は、またスパイダースのために自ら新曲を書いてきた。
それがこの「風が泣いている」という歌だった。英語のGO!GO!と当時世界的に若者に支持された激しいロックのリズム〈ゴーゴー〉、それに風が吹きすさぶ擬音の〈ゴーゴー〉という音の3つをうまく掛けた歌詞が見事に決まっている。♪ゴ、ゴ、ゴーという歌いだし部分は一度聴いたら耳を離れない印象的なフレースだ。
前作と同様というかそれ以上に哀愁味とスケール感のある“ハマクラ”節で、ハマクラさんとしてもかなりの自信作のようであった。林一さんの見事な嵐のようなストリングスとコーラス・アレンジもスリリングな効果を発揮し、スパイダースのバンド・サウンドとマッチしてこれにマチャアキのスケール豊かなヴォーカルが生きていい仕上がりとなった。
曲がちょっとハイ・ブローな所為か「夕陽が泣いている」には及ばなかったが30万枚のセールスを記録した。個人的にはこの歌は石原裕次郎が歌った「粋な別れ」とともにハマクラさんの作った最も質の高い名作のひとつだと思う。
「夕陽が泣いている」が批判されたようにこの曲もスパイダース本来の先鋭的なロック・フレイバーとは確かに異質の曲ではあるが日本の優れた歌謡ポップスとして日本人の心にすっと入ってくる名曲であり、ソリスト堺正章の人間的なキャラクターや声にぴったり嵌ってヒットした。このシングルのB面は井上順のソロをフィーチャーしたやはりハマクラさんの作詞作曲になる名バラード曲「君にあげよう」でこれも井上らしい暖かい雰囲気が最高である。
当時人気の漫画『あしたのジョー』第1巻で主人公の矢吹丈が泪橋にこの「風が泣いている」を口ずさみながらやってくるシーンがあったのも懐かしい。
尚この曲をフィーチャーしたLP「風が泣いている/スパイダース・アルバム・No.4」が8月25日に発売された。
早すぎたJ-POP、それがザ・スパイダースの「真珠の涙」だ。そして筒美京平の珍しい編曲のみのクレジット、曲はムッシュかまやつことかまやつひろしだ。本日、6月5日は「真珠の涙」がリリースされた日で...
本日5月7日は、ムッシュかまやつの実父であり、日本ジャズ界のパイオニア的存在ティーブ釜萢の誕生日。最期までダンディで小粋な歌いっぷりが魅力的な明治生まれのジャズ・シンガーであった。 text b...
70年4月5日、ムッシュかまやつ(当時はかまやつひろし)の「どうにかなるさ」がリリースされた。オリコン・シングルチャートでは最高50位であったがロング・セラーとなってスタンダード化した。スパイダ...
本日2月21日は、井上順の誕生日。早いもので、もう71歳を迎える。ザ・スパイダースに彼が参加したのが、1964年2月のこと。1年後「フリ・フリ」で本格的レコードデビューを飾るのに向け、彼が持って...
1月12日は昨年3月に78歳で逝去したムッシュかまやつの誕生日である。私のレコード・ディレクター人生の最初のレコードとなった邦楽アーティストのレコーディングがザ・スパイダース、かまやつひろし作曲...
今から51年前の今日1966年10月24日、ザ・スパイダースはシングル「Sad Sunset」(「夕陽が泣いている」の英語詞ヴァージョン)の海外発売プロモーションのため、約3週間に亘るヨーロッパ...
ムッシュが1964年の2月、銀座で米国で発売されたばかりの輸入盤『MEET THE BEATLES』に出会わなかったら日本のロックはどうなっていただろう?『エッジィな男 ムッシュかまやつ』という...
「夕陽が泣いている」の大ヒットにより、人気、実力共にNo,1のビート・グループ・アーティストになったスパイダース。その後の1967年2月1日、注目のアルバム『ザ・スパイダース アルバムNo.3』...
本日1月12日は、ムッシュかまやつの78歳の誕生日。音楽トレンドの推移に敏感に反応しながら、時代の流れを巧みに泳ぎ渡り、音楽シーンに独自のポジションを築き上げたムッシュ。日本のポピュラー音楽史上...
48年前の今日、フィリッピンの実力派5人組GS、デ・スーナーズのセカンド・アルバムがフィリップス・レコードから発売された。彼らは63年にマニラで結成されたグループで、香港で活躍していたところを加...
懐メロGS曲には希薄なGS本来の破壊的なエネルギーと刹那的な魅力を体現したカルトGS作品の人気曲・名曲を厳選しCD2枚に収録。まさにカルトGSの決定版ベストとも言える内容のコンピレーションが登場...
今からちょうど50年前の今日1966年4月15日にリリースされた『ザ・スパイダース・アルバムNo.1』こそ、紛うことなき国産オリジナル・ロック・アルバム第一号作品である。text by 中村俊夫
ラテン・バンド“浜口庫之助とアフロ・クバーノ”として紅白歌合戦にも出場した後に作詞家・作曲家に転向し、数々のヒット曲を世に送りだした浜口庫之助。愛すべき天才音楽家が惜しまれつつこの世を去ったのは...
今から49年前(1966年)の今日9月15日、ザ・スパイダースの通算7作目のシングルとしてリリースされた「夕陽が泣いている」。それはスパイダースにとっては<終わりの始まり>というパラドックスを抱...
今日6月18日は、60年代にレーシング・ドライヴァー兼ファッション・モデルとして一世を風靡した福澤幸雄の誕生日。もし生きていたら72歳。あの衝撃的な事故死から早くも46年の歳月が流れている。te...
今からちょうど50年前(1965年)の今日5月10日は、ザ・スパイダースがデビュー・シングル「フリフリ」をリリースした日。それを遡る4年前の1961年5月、ロカビリー・ブーム期の名門バンド「スウ...