2016年03月24日
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2016年03月24日
日本映画が誇るクール・ビューティ、梶芽衣子は1965年に日活に入社。当初は本名の太田雅子で女優を続け、69年のマキノ雅弘監督『日本残侠伝』でマキノ監督に命名され梶芽衣子を名乗る。以降、都会のクールな不良を演じた「野良猫ロック」シリーズで注目され、72年には東映に移籍し、「女囚さそり」シリーズで復讐ヒロインを演じ爆発的な人気を獲得。『修羅雪姫』『無宿』『曽根崎心中』など数多くの代表作を持ち、彼女が演じてきたアウトロー・ヒロイン映画は、国内はもとより海外でも高い人気を誇る。クエンティン・タランティーノが『キル・ビル』で『修羅雪姫』にオマージュを捧げ、梶の歌った主題歌「修羅の花」を劇中で流したことも有名だ。
梶芽衣子の所属していた日活映画は、所属俳優のレコード発売に積極的で、石原裕次郎や小林旭はもちろんのこと、女優でも吉永小百合、浅丘ルリ子、和泉雅子らがヒットを飛ばしており、地方の劇場への挨拶回りの際にも余興としてスターたちが歌を披露することが多かったという。
梶芽衣子の歌手デビューは、石井輝男監督による主演映画『怪談昇り竜』の主題歌「仁義子守唄」で、70年7月5日にテイチクから発売。改名後のアウトロー・ヒロイン路線とも合致する任侠演歌であった。
彼女は歌手デビュー以前にも映画の中で時折、歌っている。ことに歌手役を演じた『日本最大の顔役』では、劇中で「悲しき竹笛」と「五木の子守唄」を歌いその実力を発揮しており、『野良猫ロック セックス・ハンター』では安岡力也と「禁じられた一夜」をデュエットしているのも貴重だ。
梶芽衣子の最大のヒット曲は、映画「さそり」シリーズの主題歌「怨み節」。七語調の歌詞、諦念や宿命論に沿った世界は、藤圭子の「圭子の夢は夜ひらく」をお手本にしていると思しいが、作詞は「さそり」シリーズ4作中3作を監督した伊藤俊也で、作曲は幾多の映画・ドラマの劇伴・主題歌で知られる菊池俊輔。レコーディングの際、梶は伊藤監督から「三上寛のように歌ってくれ」と指示されたが、三上の曲を聴いて「これはとても歌えない」と思い、あくまで自己流で歌いこなしたという。その後、三上とは、梶が1973年5月2日に新宿厚生年金会館で行なった唯一のコンサート「新宿アウトロー 梶芽衣子ショウ」で初めて共演した。
「怨み節」はもともとレコード化の予定はなく、シリーズ1作目の『女囚701号さそり』のクレジットでは、まだ曲タイトルがついていなかった。映画が大ヒットしたため、急遽第2弾が製作されることになり、2作目公開のタイミングで、72年12月1日にリリースされたのだ。結果、オリコン・チャートのトップ10に入る大ヒットとなったが、レコード音源は映画「さそり」シリーズに使用されず、劇中で流れるものは4作すべて毎回吹き込み直している。斜陽といわれた日本映画が、まだそんな贅沢な製作環境にあったことに驚かされるが、レコードには収録されていない“月に一度は血を流しゃ 忘れようとて忘られようか”“涙 涙 涙おんなの怨み節”のフレーズは、映画のみで聴ける貴重なものだ。
これ以降梶芽衣子は、映画『修羅雪姫』主題歌の「修羅の花」、主演ドラマ『戦国ロックはぐれ牙』の主題歌で大野雄二が作曲した「はぐれ節/牙のバラード」など、主に自身の主演作の主題歌でヒットを飛ばしたが、その中で異色の作品が74年11月25日にリリースされたコンセプト・アルバム『去れよ、去れよ、悲しみの調べ』。大野克夫、かまやつひろし、松任谷正隆らが作編曲を手がけ、シンガーズ・スリーがコーラス参加した全編ソフト・ロック仕様で、それまでの情念系歌謡とは一線を画す、ソフィストケートされた内容で統一されている。梶のヴォーカルも演歌的な節回しを封印、高めのキーで歌うことで別人のような歌唱法を体得し、女優・梶芽衣子のイメージを離れたシンガーとしての実力を発揮している。
長らく歌手活動は休止していたが、09年に25年ぶりのシングル「女をやめたい」を発表、11年には過去に何曲か楽曲提供を受け、映画『曽根崎心中』でも共演した宇崎竜童の作品「あいつの好きそなブルース」を発表している。
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