2016年12月02日
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2016年12月02日
1985年12月2日、小泉今日子「なんてったってアイドル」がオリコンチャートの1位となった。
小泉今日子15枚目(“あんみつ姫”名義を含む、12インチ盤は除く)のシングル。彼女の代名詞たる作品にして、80年代アイドル・ポップスの分水嶺とも言える問題作である。1982年にデビューした小泉は当初70年代アイドルを思わせるようなレトロな路線の楽曲を歌っていたが、翌年の5作目「真っ赤な女の子」でブレイク、以降は筒美京平と馬飼野康二の作品を軸として“キョンキョン”のイメージをそのままキャラクター化したかのような世界観の楽曲を歌ってきた。
一方で作詞の秋元康は「なんてったってアイドル」と同じ筒美京平作の稲垣潤一「ドラマティック・レイン」で世に出た後アイドルからニューミュージック系、あるいはとんねるずのヒット曲まで幅広く手掛けて実績を築いてきた。しかしながら意外なことに実は小泉今日子のシングルA面を担当するのはこれが初めてのことであり、カップリング曲やアルバム収録曲で温存されながら“満を持して”の機会をうかがってきたのである。
ここへ来て秋元が起用された背景にはもちろんのことながら、1985年の春から突如シーンを席巻した空戦の“おニャン子クラブ”ブームが存在する。その仕掛け人として一躍注目を集めた秋元を敢えて作詞に迎えて、コイズミに“プロフェッショナル宣言”をさせることで絶妙のカウンター・パンチとなり、時代を象徴するヒット曲が誕生したのである。
当時を振り返ってみると21年ぶりの阪神タイガース優勝、アークヒルズの開業と「ニューステーション」のスタート、バブル景気の端緒となったプラザ合意などいろんな意味で節目の時期だったことが思い起こされる。
さて秋元康は翌86年にはおニャン子勢のソロ・デビュー組や各種ユニットを送り出したほか、本田美奈子の「1986年のマリリン」や少年隊の「デカメロン伝説」(いずれも筒美京平作曲)などを手掛け、まさしく飛ぶ鳥を落とす勢い。現在以上に時代の寵児となって今日の地位へと続く礎を確実に築き上げたのである。
小泉今日子自身はこれ以降次第にアーティスト志向/セルフ・プロデュース色を強め、クラブ・サウンドやカヴァー楽曲に挑戦したアルバムが話題を集めたほか、90年代には自作詞による「あなたに会えてよかった」をミリオン・ヒットさせている。
ただし、この85年を境として大手プロダクションが歌手活動をメインとして売り出すいわゆる“正統派アイドル”は次第に苦戦を強いられるようになり、女優/モデル業を軸として活動する面々とバラエティ・アイドルとして生き残りを図る勢力へと二極分化を余儀なくされていくのである。
≪著者略歴≫
榊ひろと(さかき・ひろと):音楽解説者。1980年代より「よい子の歌謡曲」「リメンバー」等に執筆。歌謡曲関連CDの解説・監修・選曲も手掛ける。著書に『筒美京平ヒットストーリー』(白夜書房)。
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