2015年12月26日
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2015年12月26日
みうらじゅんが勝手によしだたくろうを語る連載「ぼくの髪が肩まで伸びて たくろう!」。前回に引き続き4枚目のオリジナル・アルバム『伽草子』のB面、勝手に全曲解説も後半となります。
高校生も2年生となると、このあたりから自分でも、周辺からも所謂、洋楽の情報が入り込んできます。家ではスリーフィンガーを一生懸命練習しつつ、友達の前ではがんばってレッドツェッペリンやクリームが好きとか言ったりしてました。このアルバムが出てしばらく経った頃、そんな風潮が漂うフォーク少年暗黒時代に少しずつ入っていきました。
7.暑中見舞い(作詞:岡本おさみ 作曲:吉田拓郎)
最近、気づいたんですが、この『伽草子』というアルバムのコンセプトはジョン・レノンの『イマジン』だったんですね、「長い雨の後に」はピアノの弾き語りの「イマジン」で、この「暑中見舞い」は「オー・ヨーコ」のイメージだったんだ。そして「ビートルズが教えてくれた」って、なるわけですね。この歳になってたくろうさんのアルバムを隅から隅まで聴き返してると、いろんなことが分かってきますね。この歳になってようやく気づく。
8.ビートルズが教えてくれた(作詞:岡本おさみ 作曲:吉田拓郎)
これ、一度カラオケで歌ったことがあるんです。バラードとして本当、最高ですよね! 女王陛下からの勲章を返したのはジョン・レノン。 表向きは「コールド・ターキー」が売れなかったから返したということを当時、噂で聞いた。やっぱ拓郎さんのスゴイとこは名曲プラス、キャッチーな世界観があるところですよね。それが他のミュージシャンの追随を許さない原因の一つなのだと思います。
9.制服(作詞:岡本おさみ 作曲:吉田拓郎)
やっぱこのハンマリングはいつ聴いても“これぞ拓郎!”と思いますね。僕の大好きなコード進行は「G」→「B7」→「C」→「D」→「Em」ですかね。この「制服」は初期のたくろうさんを思い出させてくれましたね。「集団就職」の哀愁を感じ、そこからやがて都会ずれしていく少女の気持ちを見事に歌い上げたブルース。たくろう節復活。でも制服の集団就職の少女を一瞬見ただけで、ここまでイメージを膨らませるのは流石、イメージの詩。
10.話してはいけない(作詞:岡本おさみ 作曲:吉田拓郎)
あたまから中村雅俊さんの主演ドラマってカンジ。歌舞伎町の噴水に入ったり、吉祥寺の井の頭公園が浮かんできたりしますよね。カースケとオメダとグズが確実にこの曲の中には存在していますね。
11.夕立ち (作詞:岡本おさみ 作曲:吉田拓郎)
このアルバムでは夏のテーマの曲がやたら多くあります。1973年高校1年の僕たちの夏はこの曲で決まりでしたね! サザンやチューブじゃなく僕たちは夏といえば拓郎さんだったのです。
12.新しい朝(あした) (作詞作曲:吉田拓郎)
僕はあまり泳げなかったのですが、夏に遠浅の海で必死に泳いでぐったりして、浜に戻って来た時のいいけだるさがこの歌からは感じました。それは作詞作曲吉田拓郎のせいでしょうか? ここに出てくる「僕ら」はラブ&ピースな世界なんですよね。しかもラストでそれを過去としている。拓郎さん時代のスポークスマンに別れを告げる・・・・。ここからまた違う時代に入って行くのですね。
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